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寝ているだけで代理人が世界征服してしまった話  作者: ルリア
第1章 人間編
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あなたは「%$&%$%%$&」人ですね、ちがいますか?

「あー、どうしてもう、こうなんだろ」


金髪碧眼の少女はこう叫んだ。


僕の隣に座って、

鶏肉を口にしている。


「これ、中華料理の味がする」


「あぁ、それもレムが洒落のつもりでやったんだと思う」


「レムって、あなたよね」


「まぁ、そうともいえる」


ノーラがフォークを握りながら、

顔を近づけてくるから、

節子がいった。


「どちらのノーラさんですの?」


「あ、こちらは今ここに核攻撃をしている方々の代表者の娘さん」


「違うわ。あんな単純で短絡的で乱暴で、ゴキブリみたいな人たちと一緒にしないで」


「よくわからないけど、でも、君の名前はノーラ・コロドスだろ。で、母親は元国連事務総長」


「こいつに、国連は関係ない」


フォークに刺さった肉で真っ白な空を指し示した。


「反対したのよ。で、あなたたちと交渉するつもりで入り込んだら、この有様」

と自分の服をつまんだ。


「これって、ちょっと酷くない?」


「随分とアンティークだけれども、僕は嫌いじゃない」


「そう?」


ノームは真剣に悩みつつ、鶏肉を頬張った。


「それで、何のご用件でしょうか、私の夫に?」


怒気を含み始めた口調でも優しい声で節子が言う。


「お昼ご飯を運んきたのよ」


「それはありがとうごさいました。用事は済んだようなので、お帰りください。私たちは、これから初夜ですの」


「いいわ、気をつかわなくて。あたしも迎え待ちだし」


彼女は鶏肉を噛みながら言うので、

トマトソースがソファーに落ちる。


「これ、美味しいわ。うちのエーバリーの料理より全然上手い」


「しゃべるか、食べるか、どちかにしたら」


「そうね、子供にしかられちっゃた」


からかわられているのか、これが素なのかしらないが、僕は上空をみつめた。

レムがいってきていた。


   次が最後ですが、これ、ツァーリですよ。


   僕も入るね。


   そのほうがよろしいですね。


「ねぇ、眠くなっちゃった」


節子の太ももに頭をのせながら、

「あとは二人で仲良くして...」

眠りにつく。


「あなた、いってらっしゃいませ」


節子が頭を撫でる。


「あら、やっぱり、子供ね。でも、食べてすぐ寝たら、太るよ」


「ご心配無用です。太った主人も素敵ですから」


「そう、健康に悪いわ」


ノーラはフォークをおいた。


「この、なんだったけ、そう、思い出した。レイシネットワークというの、やめて」


「無理です」


「人の脳を勝手に使うのは良くないよ。だから、こんなに怒ってるんだけど、わからない?」


「私は「無理」だと申し上げました」


「無理って? 不可能、って?」


「そうです。なぜなら、ペイガンは、そのように作られているからです」


「つくられてるって? ペイガンて呼び方もやだけど、同じ人間なんだよ?」


「今、地球上にいる人間は、このアカーシャにいる者だけです。地上にいるのは、人間ではありません」


「あなた正気? じゃ、私も人間じゃない、てこと?」


「ノーラさんは今、アカーシャにいますから、人間です」


「ごめん、わかるように説明してもらっていいかな?」


節子は僕を抱きかかえた。


「ペイガンとは、心をもたない人型生物」


「人型生物?」


「心を持つ人間とは全く違う、論理演算を基にした作業をするためだけの動物がペイガン。ですから、霊子ネットワークからは外れません」


「何言ってるの? よくそんなひどいことがいえるわね!」


「はい。それは私がペイガンだからです」


「何言ってるの?」


「ノーラさん、大丈夫です。そうやって怒れるあなたは人間ですから」


「何言ってるのよ!!」


空が真っ黒になり、

暗闇は菜の花畑を侵食して、

三人を包み込んだ。


人類史上最大の核爆弾(ツァーリーボム)が仕事をした瞬間だった。




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