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パソコン通信
子供の頃、
世界はとても広くて素敵だと思っていた。
けれども、
夢で未来をみるようになってから、
世界とはとても不自由で、
つまらない場所に思えてきた。
自分や友達の親がどのようにして死ぬのか、
それを知ったとして、
僕に何ができるのか?
自分の兄弟がどの大学に受かるとか、
将来、
どうなるとか、
知ったとして、
それが何になるのだろう、
そう、
思った。
そして、
それらの未来は、
夢にみた時からは想像もできない道筋を辿ってたどり着く現実だ。
結果だけを知ったとして、
そこへ至る手段と手順がわからないわけだから、
それを変えることも、
利用することもできない。
そんな葛藤の中、
僕はパソコン通信の会議室に、
自分は予知夢がみれるんだ、
と書き込んでみた。
これまでも気晴らしに、
何回か、書き込んでみたけれども、
相手にされたことがなかったが、
ある日、
BGさんが僕の話を興味をもってくれた。
それが全ての始まりだった。