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われわれをセクシーにするのは攻撃の脅威だ

今年の重大事件は三つだ。


一つ目は節子のこと。


二つ目はアップルにジョブズが復帰したこと。


三つ目はアマゾンという会社が本格的に始動したことだ。


1996年、

BGさんに言わせれば、

世界は僕たちの計画を達成するために動いているらしい。


アップルはネットワーク機器を販売し、

市民を群衆化する役割を果たすそうだ。


アマゾンはそうした群衆のメンテナンスのためのロジスティックを担うらしい。


そして二年が経った1998年。


代理人の基礎になるソフトが完成した。


前年、コンピューターがチェスで世界一になったけど、

BGさんの作り上げたソフトも基本的には同じ仕組みらしい。まぁ、詳しいことは僕にはわからないけれど、BGさんに言わせれば、このソフトは勝手に成長するらしい。


ただ、彼がチェスに負けた時に悔しい思いをするかは、まだ、わからないと、BGさんはいう。


では、

僕はといえば、

節子とのそれは君の攻撃性を維持するためでは、

と推測する、といった。


BGさんに言わせれば、

人は攻撃性にさらされた時こそ、

生物的な多様性を増す。


もし、

今、

僕が節子とつきあっていなければ、

この話をこれほど肯定的に受け止めつづけてはくれなかったのでは?

とBGさんはいう。


確かに、

その通りだろう。


彼女と過ごす週あたり約40時間という小世界がなかったとしたら、

僕は違った心境で、

この計画を過ごしていたはずだ。


まぁ、

女にうつつを抜かしている、

とも言えるが、

それが自身の精神に大きく寄与しているのは確かだ。


特にそれが、

淑女そのものではあれば、だ。


全てのことは確定した未来だとして忘れ去り、

目の前の女性に没入するのでなければ、

ただ時間を消費するだけの人生になる。


そして、

ドラッグと同じような効果を発揮し、

そこから抜け出せないような中毒性にはまり切った時、

予定調和の時は、

やってきた。


節子が僕の前から消える日がきた。

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