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第12話 チャットの様子

 さて、簡易チュートリアルも終わったし、あとはみんなに分からないところがあればその疑問に答えてから外の様子でも見てくるとしよう。世界が融合してしまって外の世界がどうなっているのかとても気になるところだ。

 みんなの様子を見ると画面が映っているであろう空中を見つめている。……まだ四人とも簡易チュートリアルが終わっていないみたいだな。

 そういえばチャットの様子はどうなっているだろうか。間違いなく混線していると思われるがもしかしたら有益な情報があるかもしれない。みんなの簡易チュートリアルが終わるまでチャットの様子でも見ているとしよう。他の人たちの様子も気になるしな。


  ─────チャット─────

 チャンネル1

 山口敏広:みんな大丈夫か!?

 清水琴葉:大丈夫じゃねぇよ

 鈴木紗椰:なにこれ

 山田梅太郎:読めなさすぎワロタ

 山田梅太郎:実名出るのかよ、やべー

 佐藤美加子:皆さん落ち着いてください

 吉田信孝:俺んちの庭にでっかい穴が開いたんだけど

 近藤敦也:俺の家は倒壊したわー

 佐々木茂人:ふっどうやら俺の時代が来たようだな

 小林桐:世界終了のお知らせ\(^o^)/

 斎藤喜久:いや俺の時代だな

 渡辺曹:チャットってこれで合ってる?

 中村勝人:地震はもう起きないんだよな?

 渡辺鞠:合ってる

 佐々木茂人:マジかよ

 篠田千春:このシステムって何かに似てないかしら?

 高橋紀夫:世界はゲーム化したでおK

 山崎三代子:ふざけないでよ! 明日重要な会議なのよ!

 木下治:ルミルの庭ってゲームのシステムだろ

 新井來未:あたしやったことある

 田中幸也:やべぇ部屋にある模造刀装備したら超つえぇ(笑)

 岡本一彦:今日ついに30歳を迎えてしまった僕は魔法使いになる!

 谷口七緒:でモンスターはどこに出んの?

 古屋倉太:ダンジョンだろ

 広瀬孝治:あー目がいてぇー日本語で頼むはお前ら

 川上弘恵:これルミルの庭でしょ、ギルド銀の太陽のみんないますか? メンバーの蜜柑です、みんな無事ですか?

 華森純:ダンジョン発見なう

 御堂慶治:ギルド銀の太陽のサブマスのイタチです、川上弘恵さん落ち着いたらギルドを作ろうと思いますので今は落ち着いて安全の確保をお願いします

 佐々木茂人:初心者支援下位ギルドの銀の太陽か

 大谷亮矢:よく分からん、俺は寝る

 川上弘恵:イタチさん了解です! 待ってますヾ(≧∇≦*)

 古池美知子:きめぇ

 大島晴:自分のステータスの低さに愕然

 苗川智香子:モンスターってやつがいるんでしょ? 自衛隊の出動要請は?

 尼枷祥平:これどういう仕組みでチャット出来てんだ?

 …

 ───────────────


 9割以上の文章が外国語で目が痛くなる中なんとか日本語を探して読んでみたがまともな情報交換は行われていなかった。特に有益な情報もなくやはりどこも混乱しているみたいだ。目まぐるしく流れていく文章を追いかけるだけでかなりの疲労を覚えた。


 言語理解スキルを習得した。


 なに?

 チャットを見ていたら言語理解スキルを習得してしまった。運命の申し子の熟練度補正に★9進化の螺旋の効果のおかげか? 習得速度がおかしい。元々俺自身が向いていたのか…うーむ。何はともあれあることに越したことはないスキルだ。深く考えないことにする。

 言語理解スキルLv1なら簡単な文章なら理解出来る。難しい文章はさすがにNGだ、出来れば簡単な文章なら大概理解出来るようになるレベル10まで早めに上げておきたいところだな。

 ……簡単な文章なら読めるようになった影響でチャットのごちゃごちゃ感が増してしまった。しかしチャットを見ているだけで容易に言語理解スキルのレベルが上げるためチャットを覗く価値はあるだろう。さらに疲れそうだが言語理解スキルのレベル上げのためチャットを徘徊するか……。



 しばらく経つと不意に陽菜が口を開いた。


 「お兄様、アイテムのスタックについて聞きたいのですがいいですか?」


 「あぁいいぞ、気にしないでどんどん聞いてくれ」


 陽菜は簡易チュートリアルが終わったみたいで気になったことを聞き始めた。


 「同じアイテムを入手するとスタックされると説明されましたが同じアイテムと言っても一つ一つ差があると思うのですがスタックされると同じものになってしまうですか?」


 「効果が同じだとスタックされるな。ただ名前が違ったり状態が違えばスタックされない。例えば同じ品種の林檎はスタックされるが違う品種ならスタックされない、食べて状態が変化すればまた別のアイテムだ。剣も使い続ければ摩耗して劣化した剣に変化したりする。スタックされたアイテムを取り出すと最後に仕舞った順に出てくるから同じものになるわけじゃないぞ」


 「なるほど……出来るだけ同じアイテムで揃えれば効率よく持ち歩けるわけですね」


 「そういうこと。魔術の触媒なんかは特に嵩張るから陽菜の場合は余計にね。用途に応じて適量持ち歩くのがベストなんだけど長期戦が予想されるときは999までスタックして持ち歩いたりとかもあるかもしれないかな」


 「そんなにたくさん持ち歩ける気がしません……。でも実際にスタックされたアイテム999個なんて持ち歩けるんですか? アイテムにもよるとは思いますが重くて無理な気がして……」


 「あぁそうか、簡易チュートリアルでは重さの説明が無かったか。アイテムボックスに入れたアイテムの重さは体感で半分の重さになる。その状態で体重を測ると重さ自体はきちんとアイテム分増えているんだが何故か体感の重さは半分なんだ。さらにアイテムボックスの重さはアイテムボックスではなく身体全体にかかる。だから少しくらい重くなっても何とか持ち歩けるって感じかな。レベルアップしてステータスが上がれば余裕も出てくる」


 「そういうことですか。それなら納得ですね」


 陽菜は知りたいことが分かって満足したようだ。


 言語理解スキルのレベルが上がった、言語理解Lv8→9。


 あれからずっとチャットを徘徊しているがあと少しで言語理解スキルのレベルが10になりそうだった。Lvの上昇速度が尋常じゃない、まず間違いなくclassによる熟練度補正がかかっているだろう。

 チャットに出回ってる情報に危急性の高い情報はない。ダンジョンが各地に出現しているくらいでモンスターは徘徊していないようだ。今のところダンジョンに入って怪我をした人達は現れているがダンジョンの外にモンスターが出てきたという情報はない。とりあえずは一安心か。

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