第10話 サクッと終わらせよう前編
さて、みんな無事にclass選択、アイテムボックスの設定を終えることが出来た。あとは簡易チュートリアルに沿ってステータスメニューの説明を受けていけば大丈夫だろう。
「これで重要な設定は終わったから次はステータスメニューの説明とかだな。さっき教えた自分の意志で操作する方法……感覚式操作法で大体のことは何とかなるから忘れないように。じゃあ次は各自簡易チュートリアルに沿って勉強もらう。何か聞きたいことがあれば質問っていう形でやってみよう。みんなそれで良いかな?」
四人とも頷くのを確認出来たので俺はステータスメニューを表示させる。さくっと終わらせるとしよう。
「ステータスメニューの表示を確認しました。ステータスメニューの説明をさせていただきます。現在表示されている画面がステータスメニューです。ステータスメニューには見ての通り九つの項目があります。それぞれの項目で該当するデータの閲覧や操作が可能となっております。それらの操作は口頭で唱える宣言式、表示されている画面を手などで操作する接触式、感覚で操作する感覚式などの操作方法があります。お好みの操作方法で操作してください。次に九つの項目について説明いたします。
まずはステータス画面を表示してください」
やはり説明内容はルミルの庭で受けた簡易チュートリアルと同じ内容だった。
ルミルの庭での操作方法は基本的に感覚式が主流だった。主流だった一番の理由は操作速度の速さだろう。戦闘の場面において宣言式、接触式は時間が掛かりすぎる。さらに宣言式はアビリティーやスキルならともかく通常行動でさえ声が必要とされるため相手に居場所を伝えてしまう。接触式は片手が操作に使われるためまともに武器が使えなくなる。そのため必然的に感覚式が主流となった。宣言式、接触式をよく使うのは初心者くらいである。
街中でステータスメニューの操作のために声を出している人を見かけると昔の自分を思い出してしまい、よく微笑ましい視線を送ってしまったものだ。自分でも目立っているのが分かるので視線を向けられるとなかなか恥ずかしい。見ている側としては懐かしんでいる者がほとんどなのだが奇異の視線を向けられていると感じる初心者は慌ててその場を去ることが多い。たまに何見てんだよ、とキレる初心者もいるので注意が必要だ。
ある日そんな初心者に絡まれ殴られたことがあり一緒にいたギルドメンバーがそれにキレて相手を血祭りに上げてしまったこともあった。勿論街中である。あの時は相手がトラウマになって引退しないか心配だったなぁ……。ふとそんなことを思い出した。
──────ステータス──────
名前:渡里信司 性別:♂ 種族:人間 年齢:21
レベル:1 必要経験値:10 総獲得経験値:0
class:運命の申し子 タイプ:ニュートラル 状態:普通
HP:120(+156) SP:140(+229)
STR:11(+14) VIT:8(+12)
INT:13(+16) MEN:9(+15)
AGI:12(+16) TEC:14(+20)
LUK:10(+83)
物理攻撃力:25物理防御力:20
魔法攻撃力:29魔法防御力:24
素早さ:28
装備:防具:★1青色のパジャマ
アビリティー:★7麒麟児★7極運★8ルミルの友達★9龍神の叡智★9ルミルの加護★9進化の螺旋
スキル:料理の匠Lv23、家事の匠Lv27、睡眠の匠Lv22、警戒Lv1、閲覧Lv2、鑑定Lv1、刀の手入れLv14、魔力感知Lv49、不抜Lv34、俊敏Lv16、器用Lv20、幸運Lv3
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簡易チュートリアルに従ってステータス画面を表示する。
補正がかかりすぎてレベル1とは思えない数値になっている……。
「ステータス画面の表示を確認しました。ステータス画面の説明をさせていただきます。現在表示されている画面がステータス画面です。この画面ではあなたのステータスの値などを見ることが出来ます。アビリティー、スキル、装備なども見られますが詳細な情報は確認出来ません。詳細なデータは他の項目で確認する事が出来ます。先ほどclass選択をしていただきましたが初回表示時に限りclass選択画面が発生するようになっていました。
では次にアビリティー画面を表示してください」
──────アビリティー──────
★7麒麟児:成長値が500%アップ、コスト0
★7極運:LUK700%アップ、コスト0
★8ルメルの友達:スキル警戒Lv1、閲覧Lv1、鑑定Lv1、アビリティー★9龍神の叡智、★ルミルの加護が付加される、ルミルの庭をクリアした上でやり込んだプレイヤーに与えられるアビリティー
★9龍神の叡智:レベルアップ後にアビリティー・スキル確定選択入手、コスト0
★9ルメルの加護:全ステータスが100%アップ、コスト0
★9進化の螺旋:取得経験値・取得熟練度5倍、コスト0
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「アビリティー画面の表示を確認しました。アビリティー画面の説明をさせていただきます。現在表示されている画面がアビリティー画面です。この画面ではあなたの保有しているアビリティーの詳細を確認することが出来ます。アビリティーとは特殊能力の一種であなたに多大な恩恵を与えるものです。スキルよりも効果・取得難度が高いことが特徴となっております。
では次にスキル画面を表示してください」
────────スキル────────
料理の匠Lv23:料理技術が向上するスキル、レベルに応じて高度な料理を行えるようになる
家事の匠Lv27:家事技術が向上するスキル、レベルに応じて家事技術が向上する
睡眠の匠Lv22:睡眠技術が向上するスキル、レベルに応じて睡眠効率が上昇する
警戒Lv1:周囲の状況を把握するスキル、上位スキルになると範囲・正確性が増す
閲覧Lv2:対象のステータスを確認するスキル、レベルに応じて確認しやすくなり閲覧出来る範囲が増える、コスト3
鑑定Lv1:対象の詳細を見るスキル、上位スキルになるとより詳しく詳細を見れるようになる、コスト3
刀の手入れLv14:刀の整備技術が上がる
魔力感知Lv49:魔力の流れが知覚できるスキル、上位スキルになると操作もうまくなる
不抜Lv34:SPに補正がかかるスキル
俊敏Lv18:AGIに補正がかかるスキル
器用Lv20:TECに補正がかかるスキル
幸運Lv3:LUKに補正がかかるスキル
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「スキル画面の表示を確認しました。スキル画面の説明をさせていただきます。現在表示されている画面がスキル画面です。この画面ではあなたの保有しているスキルの詳細を見ることが出来ます。スキルとはアビリティーと同じ特殊能力の一種であなたに恩恵を与えるものとなります。アビリティーよりも効果・取得難度が低いのが特徴です。またスキルは使えば使うほど強くなり一部のスキルは名称が変わることもあります。
では次にアイテム画面を表示してください」
────────アイテム────────
・初心者セット:簡易チュートリアル報酬、使用すると薬草×5、サナの実×2を入手出来る
・????:????
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……ん?
未鑑定のアイテムがアイテムボックスに入っている。アイテムボックスを設定してから何もしていないので初心者セット以外入っていない筈だが……。
謎の未鑑定アイテムに鑑定をかけてみることにした。
鑑定スキルのレベルが上がった、鑑定Lv1→Lv27。
っ!?
ものすごい勢いで鑑定のスキルレベルが上がってしまった。しかし未鑑定アイテムの状態に変化はない。
変だな……鑑定スキルのレベルは鑑定を成功させたときにしか熟練度が貰えないから今レベルは上がらないはず……。うーむ……分からないな、システムが変わったのか? とりあえず分かることは鑑定難度が高いアイテムだということだ。一気に鑑定スキルのレベルが上がったことを考えるとレア度が★7のアイテムなのかもしれない。もう一度鑑定をかけてみる。
鑑定スキルのレベルが上がった、鑑定Lv27→38。
理由はよく分からないがまだ鑑定出来るようだ。熟練度がとても美味しいのでSPに余裕があるときは鑑定スキルのレベル上げにでも使うとしよう。今の鑑定のスキルレベルだとこのアイテムの識別出来ないしな。
まぁそれはそれとして……このアイテムは一体なんなんだ? 俺は未鑑定アイテムを取り出してみることにした。
ぐにっ。ウェストポーチの中へ伸ばした手に堅く、しかし柔らかい不思議な感触の何かに指が触れた。取り出そうとその何かを掴むと指に何かが絡みついてきた。まさか動くとは思わず俺は驚いた。危うく変な声を出すところだった。
慌ててウェストポーチの中覗いてみるとそこには……邪神さん(仮)が俺の手に触手を伸ばし絡みついておられるところであった。何をしていらっしゃるのでしょうか邪神さん(仮)。思わず硬直してしまった俺は邪神さん(仮)としばらくの間見つめ合った。どこに目があるのか、そもそも目があるのかすら不明だったが。
はっ!? ふと我に返ると慌てて邪神さん(仮)から手を離す。すると邪神さん(仮)も触手をほどいてウェストポーチの隅っこへずるずると移動していった。それはもうずるずると引き摺るように……。邪神さん(仮)の通った道はウェストポーチの色よりも黒い何かが揺らめいているような気がした。
「……」
よしっ! 俺は何も見なかった、何もなかった、何故かポケットに入れたはずの邪神さん(仮)がウェストポーチの中にいたとか、邪神さん(仮)を包んでいたはずの包みが行方不明だとか、思いっきり動いていたとか!
「──そのため回復アイテムのスタック数は最大99となります。
では次に装備画面を表示してください」
そういえば簡易チュートリアルの説明を聞き逃していた。
重要な部分はスタック数の説明くらいなので大丈夫だろう。基本的にスタック数が99のアイテムと999のアイテムがあると覚えていれば問題はない。
さっきの変な挙動をみんなに見られていないだろうか。みんなの様子を窺ってみると簡易チュートリアルに集中していてこちらの様子に気付いていないようだった。
……セーフ。




