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懊悩

 退屈だ。何もかもが。決められたルーチンワークには飽き飽きなんだ。意味の感じない努力などただの地獄だと思う。


 そんなこんな気難しい言葉を並べてみても、簡潔に言えば、私は学生生活が嫌いだった。


 東山帆乃霞。16才。高校一年生。母、専業主婦。父、サラリーマン。一人っ子。

 普通だ。自分も、自らを取り巻く環境も実に普通。

 市内の公立高校に通い、女子高生として勉学に勤しんでいる。

 やる気が無い訳じゃない。嫌いなるような出来事も特にない。寧ろそれが嫌なんだ。特に何もない毎日が。


「要は暇なんだろうなぁ…」


 月明かりが浮かぶ夜。高校の敷地内の寮の自室で、私は一人ごちた。

 何もしなければ、何も起こらない。当然だろう。でも何をしたらいい?分からない。判らない。

 別にフィクションみたいな夢物語が欲しいんじゃない。真に欲しているのは、少しだけ、ほんの少しだけの、隠し味になる刺激的なスパイス。

たとえば…

 「思春期って怖いな…。」


 社会的に危ない方向に思考が傾きかけて、自嘲気味に呟いた。


「なんか、見つかるかなあ?」


 結局いつも疑問系になってしまう、結論とも呼べぬ結論。


 それもすぐに、眠気に吸い寄せられた意識とともに夜空に消えていった。

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