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疾風迅雷
『さぁ、アンネームド質問タイムの時間よ』
「どうして私を置いていったの?」
その声は、聞きなれた機械音ではなく女性の声でした。
あぁなるほど。僕は走ります。後ろを振り返ると焦げた匂いが鼻にくると同時に、皮膚が爛れていて片腕がない女性が爆弾を持って立っていました。
『アンネームド、あなたはどうして彼女を裏切ったの?』
「君、空気が読めないって言われたことないですか?」
走ります。走ります。走ります。それ以外のことはすべて空に投げ出して。一歩を大きく、腕を振って。
叫びます。叫びます。叫べます。人には聞こえない自然の声を。
カチッ
あっ
あたりに爆音と熱風が、僕を超えるスピードで走りました。
『アンネームド、あなたはどうして彼女を裏切ったの?』