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52話 アンリ家に来る

タイトルに副題を付けました。もう防御力ゼロじゃないので



 学園から俺が住んでいる屋敷までは貴族街からも学園に近く、馬車を使わずとも帰る事が出来た。


 貴族街と名はついているけど、この国には今は貴族制度がないので多分昔の名残で名称だけが残ったのかもしれない。


 アンリを連れて屋敷の門に到着した俺は、大きな門を潜った。


 この屋敷には広い庭があり、その中を小道が通っている。その脇には大きな池があって庭園のようになっていた。


「ん?この大きなアパート?城?それに随分と庭が広いじゃない大きな池まであって?」


「いや、ここが俺の家だよ?」


「は?」


「だから、ここ全部、俺の家だよ?」


「え?……」


 アンリは俺の屋敷を眺めて固まっていた。


「ず……随分とお金持ちなのね?……流石は私が認めた男ね。そう、私の相手はこれくらいじゃないと……」


 庭園の小道を屋敷まで二人で歩いていくと、屋敷の前にはレヴィーとアリシアが待っていた。



「お帰りなさいませ!旦那様なのじゃ♡」


「お帰りなのー」


「あぁ……レヴィーただいま!アリシアもいい子にしてたか?」


「はいなの」


「アンリ、紹介するよ。この家の警備担当のレヴィーとペットのアリシアだ」


「え?ペット?いや……子供じゃないの?」


「レヴィーは白古龍で、アリシアは地竜だ」


 俺はアンリにレヴィーとアリシアを紹介した。


「はぁ?え?白竜山の?え?竜車を引いてる?」

「そ、合ってるよ?」


 アンリはまた目が遠い所に旅立っていた。戻ってきて―!


「で、この人は学園で知り合った同じ教室のアンリだ。仲良くして欲しい」


「アンリじゃな……ふーん了解じゃ」


 大丈夫かな?特にレヴィーは、俺にべた惚れだからなぁ。ちょっと心配だ。

 旦那様ってお屋敷の旦那って意味じゃないからね?夫って意味だからね?


「それじゃアンリは、今日からここに一緒に住む事になったからよろしく?」


「なんじゃとぅ?」「なの?」


「何か凄いとこに来ちゃったわね……よろしくお願いするわ」


「それじゃ中に入ろうか」


「お願いするわ……」


 屋敷に入ると入口のホールでは、メイド長のプリステラと執事のリリムが迎えてくれた。


「お帰りなさいませアリマはん……いえアリマ様」


「あ、お帰り!アリマ!」


 プリステラはまだ慣れないようでキョウタール訛りが出ていた。うん少しずつ慣れていこうね?


「ただいま!リリム、プリステラ♡」 


「そうそう紹介するよ。今日からここに住む事になった同級生のアンリだ。仲良くしてくれ」


「「はぁ?」」


 え?何?二人が睨んで来てるんだけど?どうして?


「あのーすみません……お邪魔でしたか?」


「あーいいんだよ?アンリちゃんには関係無い事だから?ボクは執事をしているリリムだよろしく!」


「はぁ……あたしは、プリステラ……アイドルよ?あと、この家のメイド長です。何かあったらあたしに相談するといいわよ?……シモの世話から……夜伽の仕方まで……」


「え!?」


「何でも無いわ」


 これで主な人の紹介は終わりかな?


「ちょ……アイドルってあの?プリステラちゃん?うそ!私ファンなんです!握手して下さい!キャー!!生プリステラちゃんだぁ!」


 ええええ?プリステラって本当にアイドルだったの?自称じゃなかったの?


「いいよ?いつも応援ありがとう?」


「ありがとうございます!この手は一生洗いません!」


「洗ってね?」


 本当に洗ってね?アンリ……。


「ってなわけで、この家が俺の家で俺が主という事になっている」


「そうみたいね……ちょっとびっくりしたわ」


 アンリはプリステラにサインまで貰っていた。

 

「そうだな、まずは部屋に案内しよう」


「……広いのね」


 ここはもともとは古い貴族の屋敷だった所を王家が管理していた場所らしい。


「王様から頂いたものだからね」


「何者なの?アリマって……」


「ノーコメントで」


「まぁいいわ、聞かないでいてあげるわ」


 また、なんで?上から目線!?


 二階に上がり、未だ使用していない部屋を一部屋見繕った。この部屋は掃除はされてそうだ。


「この部屋でいいかな?」


「広い!なにこれ?貴族様?いえ王族のお部屋見たい!いいの?こんな部屋つかわせてもらって?」


 部屋は多いし、みんなこれと同じ感じだから全然大丈夫だ。


「どうぞ相部屋じゃないから自由に使っていいよ?」


「ありがとうアリマ!部屋が空いてると勿体ないから、有意義に使ってあげるわ!」


 よし、これで何とか案内は終わったかな?


「あの……お花摘む場所はどちらかしら?」


 花だったら庭園に咲いていたな?


「それなら庭で摘むと言いよ?」


「庭で?酷い!なんてプレイなの?私は犬じゃないわ!おトイレよ!」


「あ……そうか、ごめんおトイレね?案内するよ。あと……お風呂もあるから、そっちも案内しよう」


「お風呂もあるの?すごいじゃない?」


 アンリはお風呂が珍しいのかな?普通だと思うけど。 


「うん、お風呂案内するから一緒に入る?」


 俺は冗談でそう言ったんだ。でも……。


「え?……あの……いいわよ?……ここまでしてもらってるし……いいかな?」


「え?」


「だから……いいよわよ?入ってあげるわ一緒に……お風呂……」


「おおう。うん入ろうか?」


 あれ?おかしい……一緒に入ことになってない?


「ほら、案内なさい?」


「あ……はい!」


 あれれ?どっちが主人だよ?




ここまでお読みいただきありがとうございます。

出来れば応援よろしくお願いします!


またカクヨムでも連載していますのでよろしくお願いします。


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