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48話 リリアスの夕食会

更新を少しずつ再開しますが、今後は全話改稿を予定しております。



 防御力を取り戻す……という旅の目的は果たされた。防御の代わりに身体強化魔法を使う方法も考えてはいたのだが、パチェッタのおかげで、呪いの腕輪は、呆気なく俺の腕から消え去っていた。


 ただ、負担……というか反動?が大きかったようで……気を失ってしまったパチェッタは大丈夫だろうか?

 あの後、メイド達に運ばれて行ったんでちょっと心配だな。


 セーグリッド王に礼を言い、謁見室を退室した俺とプリステラは、リリム達が待つ控室へと戻った。


 腕輪のとれた左腕に痛みや後遺症などは無い。


「おまたせ、みんな」


 控え室のドアを開けると、待機していたみんなが一斉に俺の所に駆けつけてきた。


「アリマ!もう……遅いから心配したんだぞ?」

「それで、王様との謁見は、どうでしたか?」

「ふむ……その顔は、良い事でもあったようじゃな」

「にやけてるのー」


「いやいや、そんなに俺……ニヤけてるかな?」


「アリマ!その腕は……」


「うん!」


 俺は謁見の間であった事を、皆に説明した。


「パチェッタに会えたんだね」

「うん、この通り、呪いも解けた。みんなのおかげだよ」


 呪いを解く事が出来たのは、俺を窮地から救ってくれ、魔法を教えてくれたリリムや護衛してくれたパーラやプリステラ、そして途中で仲間になったレヴィとアリシアの、みんなの助けがあったからだと思う。


「ありがとう!みんな」


「良かったねアリマ」

「おめでとうございます。アリマさん」

「よかったのー」

「これで、旦那様も着飾る事が出来るのじゃな?」


「――で、ステータスは、もう確認しはったん?」


「そうだな」


 そういえば、まだだったな。ステータスを確認してみるか。


名前 アリマ・ミノル

 推奨階層レベル  5

 攻撃力 65

 防御力 70

 体力 55

 敏捷 54

 魔力 10000/10000

 神力 10000/10000


 拡張ステータス

 耐性 無し

 特殊能力 錬金

 祝福 女神の祝福


 よし、ちゃんと呪いの効果は。無くなっているようだ。

 それに、防御力が回復するのと同時にレベルが上昇しているのか……。


 あと……うん?


 あれ? 加護が無くなっていないか?


 絶対防御不能ってやつがない……。


 呪いを解いたから。加護ごと消え去ったとか?


 元々は絶対防御という加護が、呪いにより歪められ、絶対防御不能になっていた……という推測はしていたんだけど……。


 ま、いいか。そもそも絶対防御なんて無かった。……と言うことにしておくか。


「うん、問題なさそうだな。呪いも消えてる」


「やったね!」


「パチェッタには、後でお礼しなきゃね」


「そうだな」


 イメージ的には、やっと一般人レベルになったような感じだな。


 俺の一人の力ではここまでこれなかった。

 リリムやパーラがいたからここまで来れたんだ。

 あの時、リリムに拾われていなければ、俺は見知らぬ森の奥で確実に死んでいただろう。

 パーラの護衛があったから旅の食料に困らなかったし、プリステラにも助けられた。

 それにレヴィとアリシアという仲間も出来た。


 そんな事を考えていたら、ドアがノックされ、案内のメイドが入ってきた。


「失礼します。部屋にご案内しますので……」


 さっき案内してくれたメイドさんだ。

 長い廊下をついていくと、ドアが左右に並んでいるうちの、ひときわ大きいドアを開けた。


「皆様にはこちらの部屋をご用意いたしました」


 そこは、来客用の大部屋なのか、ベッドが8床も備え付けられている洋風の部屋だった。

 ちなみに風呂とトイレは付いていないようだ。


「うわぁー! 大きい部屋!だよ!?」


 たしかに……これは、病院の……いや修学旅行の大部屋か?


「一つ部屋の中どすなぁ」

「みんなと一緒……嬉しいなの」

「警備的には、この方が良いのではないでしょうか?」

「我は旦那様と同じベッドならどこでも良いぞ」


「いや……出来れば部屋は分けて……」


「勿論、アリマ様の部屋は別に用意しておりますのでご安心下さい」


「あー ですよね。それで俺の部屋はどこに?」


「はい、ご案内します」


 俺の部屋を確認し、風呂とトイレの場所の確認を済ませると、それぞれの部屋に戻って休憩タイムだ。


 今日の予定は、このあと俺たちへのお礼と歓迎、ルリアナ姫の無事を祝う夕食会に呼ばれている。


 城に泊まるので宿の心配は無いのだが、街の観光などが出来る自由な時間はまだ無かった。


 せっかく防具がつけられるようになったんだから服屋と防具屋に行きたいんだけどな。



 ――――――



「アニマこれも着てみるに」

「おぅ」


「やっぱりアニマはこっちの黒服の方が似合ってるに」


「そうかなぁ……俺はこっちの方が」


 何をしているかと言うと、ルリアナ姫が俺達が夕食会に行くために着る服を用意してくれるというので……俺は、ルリアナ姫とメイド達の着せ替え人形となっていたのだ。


 リリム達は別室の大部屋なので、俺はルリアナ姫とメイド達に囲まれ、なされるがままに着せ替えさせられていた。


「ほら、アニマも鏡を見るに」


「これは……」


 鏡の中には、上級貴族が着るような漆黒の騎士服を纏った騎士が立っていた。


「やっぱり似合ってるに」


「ありがとう」


 村人のような服以外を着るのは本当に久しぶりだったのもあり、本気でそう思った。



 ――――――



 夕食会は、城の1階にある大広間で行われていた。


 リリム達は、それぞれがキラキラしたドレスを纏っている。


「ど……ボクの服どうかなアリマ?」


「すごく似合ってるよリリム」

「むぅ……リリムだけずるいのじゃ」

「レヴィも似合ってるよ」

「アリシアもなの?」

「うん!アリシアも可愛いよ」

「プリステラは……、いつもと変わらないな」


「はぁ……まぁ常に正装!それがうちやからなぁ」


 パーラは、胸元が大きく開いていて、大人の雰囲気がいつもより5割増しになっている。


「パーラも、今日はすごく綺麗だよ」


「今日もですよ?アリマ様」


「ああ……うんそうだね」



 謁見の時は、俺とプリステラのみだったが、夕食会は公務では無いとのことで、リリムやパーラ、レヴィ―達の同席が許されている。

 さすが王宮の料理というだけあって豪華な料理が並んでいて食欲がそそられる。

 王様は出られないとのことだったが、代わりに第一教女のラミレス姫と第四教女のアンジェリカ姫、第五教女のルリアナ姫が同席しているとのことだ。


「此度は、ルリアナを助けていただきありがとうございます。改めてお礼を申し上げます。お口に合うか分かりませんが、心よりのお食事をご用意いたしましたのでお楽しみください」


 ラミレス姫の挨拶が終わると、各々が歓談しながらの食事となった。


「私はアンジェリカ。ルリの2つ上の姉よ! ルリの件はとても感謝しているわ」

「お初にお目にかかります。アンジェリカ姫。俺はアリマ・ミノルです」


 アンジェリカ姫は、金髪ツインテールで青い目をしている、とてもかわいいお姫さんだった。


「聞いているわ。でも……聞いていたより良い男じゃない? ルリには勿体ないくらい」

「それはどうも……」

「アンジェ姉さま! アニマは渡さないに」

 ルリアナ姫が俺の腕を抱きかかえるようにしているのを見て、アンジェリカ姫はその反対側の腕を取ってきた。

「あら、じゃこっち側でいいかしら?」

「うににににににににににぃ~~」

「あらあら……」


 ラミレス姫は困った顔をしているが、しているだけで止める気はないようだ。


 ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!!!


 リリムやレヴィ―の方からものすごい闇の波動を感じるのだが、大丈夫だろうか……俺。


「まぁまぁ……そのくらいにしといたらどうかな?アリマ君も困っているしね」


 突然、髪の毛を逆立てたような長身の優男が会話に割り込んできた。


「あなたは?」

「これは、挨拶が遅れました。私は火の魔神使いクラウスと申します。以後お見知り置きを」

「こちらこそ、よろしくお願いします」


「クラウスは王宮付きの筆頭魔神使いですのよ?言わば魔神使いのリーダーってとこね。あとラミレス姉の男よ」

「ちょ!アンジェ! 何てこと言うの!! ごめんなさいクラウス……」


「ラミレス姫様、どうかお気になさらず。私は既に貴方のものです」

「も……もう!」


 どうでもよいが、どうやらラミレス姫とクラウスの二人は出来ているようだな。


 火の魔神使いか……。


 何だかんだ色々あったが、そのうちに酒が入り、うやむやのうちに夕食会は終わりを告げ、解散となった。


 記憶は無いが、俺はそのまま部屋に戻ったんだと思う。



別サイトにてアリマ社会人版If 女神様の婿」を公開しました。プロローグの女神様がメインヒロインになります。

そちらもよろしくお願いします。


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