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5話 精霊の森の少年1

 精霊の森と呼ばれる森があった。その森は聖都エルスハイムに近い事もあり、他の国よりは神気濃度が高く、森を満たしていた。

 他の国が濃度1%とすると、この森の濃度は3%近い。因みに魔素の濃度は通常5%だ。魔大陸になると場所によっては10%を超える事もあるという。


 そんな精霊の森は魔力系の精霊と神に近い精霊の住処でもある。


 その精霊の森の一角に自然に出来た木のうろを利用した巨木の家があった。


 その中……


 うろの中は以外と広く、6畳程もある広さに本当に自然の産物かと言いたくなるような、自然に出来たベッドと自然に出来た棚やらドアがある。


 そこで……俺は意識を取り戻した。


 天井が見える……木の天井だ。此処は……俺は確か死んだはず……!!そうだ……2人組の賊に殺されて……?


 俺は木で出来たベッドの上に寝かされていた。刺されたはずのお腹は痛くなく、傷もすっかり消えている。


「起きたか?少年」


 寝たまま、顔だけ声をかけられた方を向いてみると、そこには緑色の妖精さんがいた。


 端正な顔立ちにエメラルドの瞳、肩で揃えた緑色でサラサラの髪を右側頭部でお下げにしている美少年。透き通るような白い肌に白いチュニック、少し尖った耳、矢じり型の2連髪留めがちょっと可愛い。年は15歳くらいだろうか。


「妖精さん?」


 つい思った事が口に出てしまった。


「?  夢でも見たか?」


「いや……キミが助けてくれたのか?」


「森の精霊が教えてくれたんだよ……戦闘の気配があって、人が倒れているって……」


「倒れている?」


 倒れているって? 死んでなかったのか……俺。


「ボクがお前を見つけた時は、傷が酷くて瀕死の状態だったよ?」


「瀕死!?」


「そう。大小多数の傷に打撲、お腹の傷は致命傷だった。放って置けば半刻もしないうちに出血多量で死んでいたね」


 どうやら俺は瀕死の所を、この少年に助けられたようだ。


「そうか……助けてくれてありがとう……えっと……」


「リリム……リリム・シャリアンだ リリムでいい」


「ありがとう……リリム、俺はアリマ・ミノル」


「アリマ?」


 聞きなれない名前だったのかリリムは小首を傾げた。


「あぁそっか……ミノルが名前でアリマが苗字だ」


 ここは名前・姓なのかな……


「アリマ……気になったのだが……追い剥ぎにでも会ったか?それとも服は着ないそっちの趣味か?」


「え?」


 そう言われて自分の体を見て見ると、トランクスしか履いてなかった。

 そうだ、俺はミルラルネとか言う頭のおかしい奴に呪いの腕輪を付けられて……


 俺は自分が召喚された勇者であることを伏せてこれまでの事をリリムに説明した。


 多分、俺は死んだことになっているはずだ。

 このリリムという少年もまだ信用ならない。

 何せ此処は異世界だからな……何があるか分からない。


「そう……多分襲ってきたのはエリス聖教狂信派の暗殺部隊……に雇われた殺し屋って所だね」


「エリス聖教?暗殺部隊?」


「ん?アリマ……この国の宗教、エリス聖教を知らないのか?」


「全く……多分襲われた影響で記憶喪失になってるかも」


 素性を隠しているので、召喚されたとも言えないし記憶喪失と言うことにしておいた。


「ふむ……そうか……ならばボクの姿、耳を見ても反応しないのはそう言うことか……」


 リリムは、そうかそうか……ふむふむと一人納得している。


「なら言ってもいいかな……」


「?」


「実は……ボクはエルフ族なんだ」


 リリムの長めの尖った耳がピクピクと動いていた。


「うん……だろうとは思ってたよ」


「や……やっぱり分かってしまうか?」


 耳だよ耳……


「そんな可愛い顔で綺麗な耳してたらね……」


 こんなファンタジーな世界でエルフって言ったら鉄板中の鉄板だろ。


「かっ可愛い?ボクが?」


「超可愛いよ、俺的にどストライクだ。食べちゃいたいくらい」


 これで男の子じゃなかったらな……


「あわわっ……食べちゃいたいって……えっえっ……」


 リリムは真っ赤な顔をして俯いてモジモジしている。


「冗談だ……」


 可愛いぞ今畜生。


「……もう……ビックリしたよぅ……うぅ」


 ちょっと弄り過ぎたな。

 これはアレだ可愛いと虐めたくなるって言う……。


「スマン……でも可愛いって言うのは本当だ」


「ありがとう……そんな事言ってくれるのはアリマだけだよ」


「へ?何で?こんなに可愛いのに勿体無い」


「エルフ族は……この世界にいちゃいけない存在なんだ」


 そう言うと、エルフ族のリリムは自らの事を語り始めた。



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