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【9WW】NINE WAR WORLD【1897】
1 名前:名無しのプレイヤー
■公式サイト http://~
プレイヤーズサイト http://~
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■関連サイト
関連アップローダ http://~
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■前スレ
【9WW】NINE WAR WORLD【1896】
http://~
■避難所
http://~
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778 名前:名無しのプレイヤー
(*'ω' *) 夢の中で9wwして死んだらお友達が死んじゃったの
779 名前:名無しのプレイヤー
(*'ω' *)スレ違いなのよここは妄想日記じゃないの
780 名前:名無しのプレイヤー
(*'ω' *) 本当なの
781 名前:名無しのプレイヤー
(*'ω' *) あたし萌え豚だからとりあえずNGするわ
782 名前:名無しのプレイヤー
(*'ω' *) 信じて
783 名前:名無しのプレイヤー
おいマジな話知人同士で共有夢みた奴いないか?
784 名前:名無しのプレイヤー
(*'ω' *) >>783は空気を読んで元の巣へお帰り
785 名前:名無しのプレイヤー
俺は>>778とは別人だがこれは冗談じゃない。
本気で誰か昨日ゲームして体調悪くなったり眩暈覚えた奴
9wwを実体験する共有夢を見ていたら気をつけてくれ
死亡するとマジに死ぬ
俺たちは人間界所属のギルド『がーべらーず』だ。
皆難易度カオティックのフィールドエレボス島に飛ばされてしまって身動きがとれない
マジにやばいんだマジにガチでやばい
本土への船に乗ろうにも金がない
脱出できない
邪教集団カオスシードの襲撃で人死にが出ているサフグアンが出た
誰が洗脳されているか分からない
倉庫へアクセスできない
誰かじょうほc。
786 名前:名無しのプレイヤー
(*'ω' *) なにこれかゆうまな流れなの?
787 名前:名無しのプレイヤー
(*'ω' *) いつからここはクトゥルフになったのかしら
788 名前:名無しのプレイヤー
(*'ω' *) >>785応答せよ応答せよ
789 名前:名無しのプレイヤー
(*'ω' *) いないわね悪戯なのよ
790 名前:名無しのプレイヤー
(*'ω' *) >>785応答せよ応答せよ
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このスレはdat落ちしました
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昼も過ぎて、祥子は自室のデスクトップパソコンの前で呆然としていた。
「同様のことが起きているみだいだが、何故か情報交換している場所が全部強制終了になっていて……」
《レズ姉》に案内されたサイトは大型掲示板のものだった。似たような事態を書き込んでいた人物は不自然に言葉を途切れさせて、以下同一IDの書きこみはなかった。
可動式のチェアの背もたれがぎぃっと軋む。
硬直していた身体が、いつの間にか背もたれへとのしかかっていたらしい。
《レズ姉》はしきりと喋って、今後の指示や提案などをしていったが、正直祥子は全部理解できたと思えなかった。
そもそも、大がかりないたずらの可能性を否定していいのか、と祥子は悩む。
この書き込みだって、《レズ姉》の自演かもしれない。
しかし、祥子が話す前に、《レズ姉》は『ナインウォー』の共有夢の話をしてきた。
祥子が昨夜見た夢は、彼には知り得ないことだ。
(だったら、《レズ姉》さんの言うことは本当だって信じていいの?)
祥子も彼も夢を見た。
ここまではいい。
夢の中で死んだら、現実でも死んだ。
問題はこれだ。
この情報は、《レズ姉》の証言に過ぎない。
(でも……あの殴ったり蹴ったりする感触や臭い……)
鳥肌が立った。あれは夢じゃなくて、現実とリンクしたもう一つの現実だったのではないか。
そんな妄想が祥子の中で、怪物のように頭をもたげはじめる。
(どうして、いったい、なぜ?)
いったい、という疑問に対して、すでに本能では答えが出ていた。
(昨晩の、変な違和感? 大勢の人が同時刻に感じて、体調不良を訴えていた……)
『ナインウォー』に接続していたプレイヤーの内、全員なのか、それとも一部の人間なのかまでは分からない。しかし、ギルドメンバーのほとんどが挙手していたのを祥子は覚えている。
(じゃあ、あの変な眩暈を覚えた時点から始まってたんだから、《レズ姉》さんじゃなくて、外部の人の仕業?)
分からないことが多すぎる。
《レズ姉》はあくまで、ネットの向こうの住人だ。今まで『彼女』の人柄を信用していたが、それも本当は幻想だった。『彼女』が『彼』であることさえ知らなかった。それは当たり前のことで悪いことじゃない。ゲームなのだから、好きにロールプレイすればいい。
しかし、『彼女』が『彼』になった時、祥子は更に一本警戒線を引いた。
これも決して悪いことではないと祥子は理解している。
ネットは自衛が自己責任だ。
うかつなことをして、泣きをみるのは自分だけではすまない。
祥子は深呼吸する。
《レズ姉》による証言は、あくまで彼一人のものだ。ネットの書き込みも誰か一人が複数人演じてあちこちに出没している可能性を否定できない。
彼とは第三者的立場にある人の証言を聞かねば、真偽を問うことはできないだろう。
(だけど、《レズ姉》さんと関係ない第三者って……誰よ?)
第三者は、祥子のリアルな知人が望ましい。《レズ姉》と結託しない信用できる人物。
そこで祥子はこれまでにない大きくて深くて底の見えない谷間にぶつかる。
壁じゃない。谷だ。崖だ。深すぎて底が見えない。
(私……知人、いないじゃん)
ううっ、と祥子は机に突っ伏した。
ハードルが高い。あまりにも高過ぎた。
(ふ、ふつうさー、携帯ゲーム機もあるんだから、友達同士でプレイするよね? 《レズ姉》さんだって、知人同士でプレイしてたわけでしょ? 私って……学生なのに、まさにゴールデンエイジのメインターゲット層なのに、ぼっちでプレイしている私って……)
思考とは諸刃の剣である。
祥子はめったうちにされた。
自らの刃で自らをずたずたにしていく。
(私……友達……いない……)
クリティカルヒット。
祥子はしばらく自沈した。
自らの深淵と向き合った結果、祥子は気づきたくなかった解を導く。
(い……た……知人……ナインウォーしている知人……)
気づかない方がよかったのかもしれない。
いたではないか。
(和田和馬……)
うっ、と頭痛と吐き気と眩暈が一気に祥子を襲う。
ストレスだ。
人はストレスによって、五秒で胃に穴があくとすら言う。
(休み明けにさ、どうやって話かけるわけ? どうやって聞くわけ? そもそも頭おかしいって思われるよ? 気を引きたいんじゃね? って噂されるよ。無理。無理無理無理無理ぃいいい!! 消極的な自殺行為じゃん! 死ぬじゃん!! 死ぬじゃん!!)
頭を抱え、祥子はのろのろとベッドに戻った。
「寝よ」
人はそれを現実逃避と言う。
致命的な行為であることに、頭の働かない祥子は気づきもせず、横になった。