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転生したった   作者: 空乃無志
第一章 幼年期編
5/98

幼児、財宝を獲る

※7月12日改訂

あれから、あっと言う間に一年が過ぎた。

今は転生して1年と半年ぐらいだ。


半年前ぐらいから、ようやくベビーベッドを卒業した。

何度も「でるー」と催促したのが奏功したようだ。


お陰で様々な行動がとれる。


母やメイドが居ない時を見計らってだが、色々な運動が捗る。

自由に動き回れるって本当にすばらしい。


ただ、むやみに筋肉をつける事が果たして良いのかは謎だが。

無理な負荷はかけていないつもりだがどうだろう。


この歳で本格的に筋トレをして発育障害が出ないのか。

今のところ、異常はないけど。


部屋の端まで走をやって、タイムを計る。

距離はちょっと分からないけど、10秒くらいかかった。

何度か走ると9秒まで縮まった。

半年かかって今は7秒ぐらい。


最初のうちはどんどん記録は伸びていくだろうなぁ。


サーチで生命力を確認して減った分はヒールで回復した。


ある日、僕はとある発見をした。

運動が一段落したので僕は部屋の中を物色することにした。

僕の部屋には大きなタンスが2つある。


まさか、僕が引き出しを開けられるとは思っていないのだろう。

開けられないような対策はされておらず無造作なものだ。


片方には僕の服が入っていることは知っている。

もう片方が開いたところを見た事はない。


「ふふ」


思わず笑みがこぼれる。

何が入っているのだろう。楽しみでしょうがない。


まずは一番下の引き出しから。


「んー?」


はずれ。中には少し大きめの服が入っていた。


「そういえばお兄ちゃんがいるんだっけ」


貰ってきたお下がりの服が入れられているだけのようだ。

うわー、面白くない。


もう一段上も見る。

外れ。

駄目だこりゃ。僕の背だと届くのはここまで。

だから引き出しを階段にして、引き出しの服の上に乗って次に進む。


悪知恵が働くのよー。


もう三段目。外れ。やはり服や下着だ。


「むー」


つまんない。


思わず不満で唸ってしまった。

残すは最上段だけである。

ここは引き出しではなく、両開き扉がついている。


「あれ?」


僕はそれを開けようと力を入れて気づいた。

鍵がかかっている。


「うーん」


さて、どうやって開けようか。

開けないという選択肢は無いよな。

てか開けないでか。


さて、僕の使える方法だと・・・。


「サーチ」


鋼鉄製の鍵扉 耐久値10


うーん、鋼鉄製ねぇ。

堅そうだな。


「鋼鉄・・・鉄かぁ」


ふと、方法を一つ思いついた。試してみるか。

僕は残り精神力を見て決める。


そして、とある魔法を唱える。


苦い思い出がふと頭をよぎったがたぶん大丈夫だろ。

僕の今の精神力なら。


「リフレッシュ」


僕は鍵のある部分をイメージしてリフレッシュをかけてみる。

ほんのりと扉が光る。

成功。僕はすぐさまサーチを唱えた。


残り精神力 38


おお、リフレッシュの消耗は10か。

続けて扉に向けてサーチする。


鋼鉄の鍵扉 耐久値9.875


おや、今度は少数点以下まで表示された。

たぶん耐久値の変化をより詳しく知りたいと思って使ったからだな。


認識が影響する魔法なので結構適当なのだろう。

目安にしかならない。

僕は再度、リフレッシュをかけた。

そして、サーチ。


鋼鉄の鍵扉 耐久値9.750


おお、0.125づつ減っている。

鉄の消去を試してみたが上手くいっている。


どうやらリフレッシュでこれを破壊する事は可能なようだ。


つーか、もうこれ用法的にリフレッシュじゃないよね?

まぁ、良いか。


馬鹿とはさみは使いようって言うし。

魔法とはさみは使い方次第ってことですね。ええ。


「ふう」


だいぶ精神力を使ってしまった。ひとまず休むか。

精神力の回復は法則があるらしく、寝ている時は二倍回復する。

そして、起きている時は一時間に最大精神力の12分の1程度回復するようだ。


意外に精神力の回復量は多い。

これを壊すまで40回か。

ちょっと気長に挑戦しますか。


僕は出したタンスをしまいと元通りにした。


そろそろ、母親とメイドのリージュが来る時間だ。

今日のご飯は何かなー♪




◇◇◇◇◇





「ユノが後追いしてくれないの!」


「そんなことで普通悩まないだろ」


だってーと、私はむくれた。

ユノが私を捜してキョロキョロしたり、とてとて後を付いてくるなんて可愛すぎるじゃない。


そういうのがしたいの。


したーい。


エレスが呆れた顔で私を見た後でユノウスに向き変えると言った。


「ユノウス」


「?」


「後追いしろ」


「!?」


ユノが困惑した顔で首を傾げた。

もう、ユノにそんなこと言っても分からないでしょ。


「へんな事言わないでよ。エレス!」


「いや、この子は絶対言葉分かってるから」


「まま、おうー?」


きゃー、本当に分かってるみたい。

ユノ、本当に頭良いのね!!


「ユノー、大丈夫よ!平気よ、ありがとー」


「ままー」


「なんなんだ、この親子・・・」


エレスが疲れた様に呟いて居たけど、気にしない。

やっぱり、うちの子、天才だわ。




◇◇◇◇◇




挑戦開始一週間後、ついに扉の鍵の破壊に成功した。


「さーて、何が入っているかな?」


ご開帳♪


タンスを階段に、上がると扉に手をかけた。

鉄分が抜け、すっかり炭化して黒くなった鋼鉄の部分が崩れて落ちる。

僕はにこにこしながら扉の中を漁る。


「これは」


中には本が5冊、それに杖、剣、ローブが入っていた。

それによく分からない小物がたくさん。


「冒険者の道具?」


とにかく確認してみよう。


「サーチ」


基礎魔法の書 

中位魔法の書 

上位魔法の書

コールテルの世界紀行書 

オード流武剣の書

ミスリルの剣+5(貫通1、軽量2、魔法親和2)

ミスリル糸のローブ+4(対刃2、耐水1、耐火1)

老トレントの樫杖+7(集中5、精神回復1、生命力回復1)


装備の括弧内はかかった魔法効果のようだ。


つまり、これマジックアイテム。

直球ど真ん中のお宝じゃん!やべぇ!


すげぇ、見るからにお宝だ。

わくわくしてきた。

こんなに都合よく基礎の魔法書まであるなんて。


ふと、見ると何かメモの様な紙がある。


  おめでとう、我が遺産を発見せし者へ。秘密の鍵を手に入れた君へささやかなプレゼントを


えーと、ごめんなさい。鍵は手に入れて無いです。

どうやらどっかの誰かさんの悪戯のようだ。


しかし、このままにしていてもいずれ回収されてしまうなぁ。


幼児の僕では隠せる場所もないし、どうしたものか。

思いつかないのでとりあえず残りの小物にサーチを当ててみる。


収納のポーチ+10(収納0/12個)

精神回復薬(容量100/100)

金貨の入った袋(金貨15枚)


ん?収納のポーチ?

これ面白い魔法の効果がかかってるな。収納だって。

詳しく見てみよう。


「サーチ」


収納・・・召還系永続付加効果。収納の数だけ空間を作りだし、物をしまえる。又、その名前を呼ぶことで召還出来る。


おお、これは。


僕は早速ポーチを掴むとひとまず一番近くあった本を引き寄せた。


入・・・らない。


「あれ?」


魔法の起動にはコマンドが必要なのか?


「サーチ」


キーコマンドでろ。僕は念じながらサーチをかける。


収納のポーチの使用法・・・ポーチを左手、入れる物を右手にもって「クローズ」で中に収納する。ポーチを左手、右手に何も持たないで「取り出す物:名、オープン」で右手に取り出す。


おお、出た。さすが、サーチ!


よし、これで。僕はさっそく右手で本を掴むと左手にはポーチを乗せた


「クローズ」


本が消えた。これはすごい!

さっそく僕は中のアイテムを全部ポーチの中に収納した。


どういう仕組みになっているのだろう?


興味深い。


さて、これであとはこのポーチの隠し場所を考えれば良い。

幸い大した大きさでは無い。


これならタンスの奥にしまい込んでもバレないだろう。

3段目のタンスの中身はまだ使わないお古の服だから其処に隠そう。


そして、誰も来ない時間帯を見計らってこっそり楽しもう。

しかし、遺産だかを隠したどっかの誰かさんも気が利く。


おそらく、このアイテムをこっそりゲットした人がそのまま怪しまれずに持ち運べるようにポーチも置いておいたのだろう。

僕は謎かけだかなんだかは解いてないけど、プレゼントはありがたく戴きます。


僕はにやにやしながらタンスの奥の物をポーチをしまった。

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