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転生したった   作者: 空乃無志
第一章 幼年期編
10/98

幼児と火事

※7月12日改訂

目的地はここか。

暗がりの中、遠くに見える屋敷に俺は近づいていく。


「どうやら間に合ったらしいな」


ゆっくりと歩き始める。

ラダーの地で朗報を待っている仲間たちの為にも俺はこの重要な任務を果たさなければならない。

何、大丈夫だ。


この計画には何の問題もない。

すべて上手くいく。


そう、我らが魔神のお導きのままに・・・・・・。





◇◇◇◇◇




あれからまた一年が経った。

六歳になった僕はいつもの様にユフィに本を読んであげている。

最近はユフィの読解力も成長している。


普通の本を読んであげても問題ない。


「先生?」


僕はその言葉を呟いた。


「そうなの、おかあさまがピアノの先生を雇ったの」


「へー、すごいね」


ユフィも習い事の時期なのか。

僕にも一応エレス師匠や母親がいるけど、教養を高める方面の師は居ないなぁ。


「にいさまも一緒にピアノのお勉強する?」


誘いに僕は考えた。

ピアノか。おもしろそうだな。


「え、良いの?」


「うん、いいよ。おかあさまも一緒にどうぞって」


それはありがたい。

幼児期にピアノと言えば、僕の偏った知識によると絶対音感とかだよなぁ。


僕にそれが当てはまるかさておいて楽しみだ。

うん、是非、学びたい。





◇◇◇◇◇




「ハジャ?」


「そう、これがハジャだ」


剣の師匠であるエレスが構えた剣が白く光る。

変化はそれだけだ。


ある日の朝。

師匠が僕にとっておきの技を教えてくれると言ってから、示したのがこの光だ。


「えーと、なんで光るの?」


「魔法の一種だからだ」


「魔法?」


の一種?妙な言い方だ。

魔法なのだろうか?


「そうだ、と言ってもこれは魔力や精神力を消耗しない」


エレスが剣を振るうと白い剣閃が煌めく。

うお、正直ものすごくかっこいい。


ゲームや映画のエフェクトみたいだ。

やばい。スター○ーズやソ○ルエッジみたいじゃん。

覚えてええ。


「この光は戦神メルティウスの光。生命力を消耗することですべての魔を祓う」


「魔を祓う?」


どういう意味だろう?


「すべての魔法を無効化できる」


ええ!?すげぇ。

エレスは光る剣を掲げると言った。


「いまからお前にハジャの素養があるか調べる」


「どうするんですか?」


僕の問いにエレスは剣を納めると僕の頭に手を置いた。


「私のハジャに感応すれば、お前の中にもハジャの力が眠っている」


そういって、あの光を手の平から僕に流し込む。

光が僕の全身を光らせる。


あれ・・・なんだろう。この感じどこかで。


「ほう」


「どうですか?」


「驚いたな。ハジャの光は素養のある部分が光る。お前は全身にハジャを纏えるらしい」


「それって凄いのですか?」


それにはエレスは首を傾げた。


「どうだろう。手が光れば、それで十分だと思うが、まぁ、纏える分には悪くない。一応、私も全身でハジャが使える」


そうなのか。

まぁ、使えるみたいだし、よかった。


「このハジャは剣に纏ったり、鎧に纏ったりできる。魔法を使えない戦士が魔法に打ち勝つための力だ。お前はこれからこれを練習しろ」




◇◇◇◇◇





ハジャの修得はかなりの困難がある。


ハジャには呪文が無い。


イメージのみで発現させないといけない。

発動するためには生命力、自らの魂の力を剣や鎧と言った武具に注ぎ込まなくてはならない。


武具に魄を注ぐ。


どうやってやるのだろう?


ひとまず僕は暇さえあれば剣に向かって意識を集中してみたのだが、ちっとも上手く行かない。


イドとエゴ。

精神力エゴを動かすのは得意なのに・・・。


生命力イドを動かす。

まったくわからない。

イメージが浮かんでこないのだ。


「むーん、まさかこんなところで壁にぶつかるとは」


師匠が言うにはハジャが使えない戦士もいるにはいる。

が、ハジャの使えない戦士は一級品の魔法使いには絶対に勝てないと言っていた。


ハジャが使えるかが一流と二流を分ける違いだと。

ただ、一方でこれはセンスの問題なのでできるかはその人間次第だとも言っていた。


「はじゃ、はじゃ」


呟いたところで上手くいくはずも無い。

僕は頭を傾げた。




◇◇◇◇◇





「どー?」


「はい、そうですよ」


ピアノの先生がやってきた。

すらっと背が高く栗色の髪で眼鏡をかけた柔和な印象の青年だ。

名前はラスタスというらしい。


僕らは鍵盤の前に立って先生のレッスンを受けている。


「はい、ではこれは?」


「れー」


「はーい、よくできました」


うーん、本格的なレッスンはいつ始まるのだろうか。

幼児向けの授業なんてこんなものなのかな。




◇◇◇◇◇




ピアノのレッスンを開始して二ヶ月が過ぎた。

ちょっと簡単な曲なら弾けるようになった。


ピアノも意外に楽しいかもしれない。


「ぶぅ、わたしも弾けるようになりたい」


まだユフィは上手く弾くことはできないようだ。

ピアノの聴音のお陰でかなり音感が身についた様だ。


絶対音感かは不明だが、意識すれば、音を音階で判断できなくもない。

ただ普通の音の捉え方に慣れすぎてるせいでか、今のはピアノならドだなぁ、と思う程度だ。


まぁ、絶対音感、不便なことも多いらしいし、別に良いかな。


「おい、こんなところにいたのかよ」


そう声をかけてきたのはレオだった。

僕とユフィが顔を合わせた。


「なんだよ、レオ」


「うざいのきた」


うーん、ユフィは容赦がないな。


「う、うざくねぇし!で、こんなところで何してんだよ!?」


何って、普通に遊んでるんだが。


「レオこそ、なんで別邸に来てるの?」


「最近、お前ら見ねぇから探してたんだろ!」


探すなよ。こっちは避けてるのに。

というのは冗談で、スミナの花粉が酷い時期なのでユフィの為に本邸の庭を回避しただけだ。


「本邸の庭で遊べばいいだろ!」


「何だよ。レオ寂しかったのか?」


そう問うとレオは顔を真っ赤にして言った。


「ちげーよ!」


「ふーん、別に良いけど」


僕はメイドに用意してもらった持ったロープの束を肩に掛けた。


「?何してんだ?」


「いや、遊具でも作ろうかと思って」


僕は近くの木に登っていく。


そして、高さがちょうど良く一番頑丈そうな木の枝にロープを二本結び付ける。

直ぐにしたに降りると二本のロープの先端を木の板に結び付ける。


簡易なブランコだ。


「なんだよ、これ?」


「ブランコだよ」


「ぶらんこ?」


こういうものは珍しいのか?

このぐらい誰でも思いつきそうだが。

僕はブランコの動きや重心の掛り具合を確かめる。


うん、大丈夫だ。


「よし、僕が見本を見せるからユフィは次にやるんだぞ」


「はい、にいたま」


僕がブランコを一人漕ぎする。

反動を使ってぐんぐんと漕ぐ。

おお、懐かしいな。童心に帰るなぁ。


あれ?今、一応は童心なんだっけ?


「な、なんだよそれ!?」


「に、にいたま」


二人は目を丸くしている。

そんなに驚くようなことか?


僕はブランコの反動を殺しながら元の場所に戻る。


「よし、次はユフィな」


「え、で、でも・・・こわい」


「そう?」


うーん、立ちこぎは確かにちょっと危ないかな?


「じゃ、ここに座って」


「座るの?」


素直に座るユフィ。


「足を前に伸ばして、はい」


僕はユフィを押した。


「うわぁ、にいたま」


「ほらほら」


ユフィのブランコを押してどんどん加速させる。


「わっ、わっ」


「どう?怖い?」


「へいきー」


よしよし。偉いぞユフィ。


「おい、俺にもかせよ」


「レオは後な」


「えー!はやく!」


うーん、うるさいやつだなぁ。

僕はユフィの反動を少しずつ押さえてゆっくり止めた。


「にいたま、びっくり!」


ユフィの感想もそこそこにレオにブランコを明け渡す。


「ほら、開けたよ」


「へへん」


早速、ユフィを押しのけブランコに座るレオ。


「おー、いいぞ」


「何が?」


「おせー」


「自分でこげよ」


「おせー!」


うるさいなぁ。僕が適当に押してやると加速が付いたブランコが動き出した。


「わぁたけぇ!はぇえ!なんだぁあ??」


奇声上げるなよ。どうやらレオは大喜びのようだ。


「もっと速く高く!」


「自分で勢いつけろ」


めんどくさいなぁ。

僕は適当にレオのブランコを加速させるとユフィに声をかけた。


「じゃ、別の場所に行こうか」


「はい、にいたま!」


「え?おい!?とめろーー」


「自然に止まるから」


僕らはレオをおいてさっさっと歩きだした。




◇◇◇◇◇





朝からミリアが憂鬱な顔をしている。


重要な話があると言って、


「私とミリアはしばらく戻って来れない。下手すると半年以上かかるかもしれん」


ある日の朝、エレスがそう切り出した。

半年以上か。

随分と長期の旅だ。僕は困惑して聞いた。


「どうしたの?何かあるの?」


「ああ、ミリアの里から出頭がかかった。どうやら、お前を生んだことがどこからか伝わったらしい」


と、いうことは母親の行き先はエルフの里なのか。

エルフがいっぱい居るのかな。面白そう。


「はぁ」


「森の刑部の連中がミリアの親を盾に出頭を要請している。エルフの里では親が子の罪を代わりに償うのは当然の風習だからな。面倒なことになった」


つまり、僕の祖父や祖母が人質になっていると言うことか。

それは出頭するしかないのだろうなぁ。


「もぅ!そんな話をユノにしないで!エレス」


「大事なことだ。黙ってろ。ユノウス、お前は半妖ハーフエルフだ」


「はい」


エレス師匠の声のトーンがいつもと違う。

僕は神妙な面もちで頷いた。


半妖ハーフエルフは聖団やその加盟国ではあまり良い顔はされない。迫害を受けるほどでは無いが、有利に働くことは絶対にない。世を乱す者として爪弾き者だ。そして、公爵は汚点になるであろうお前の存在を認めていない」


「はい、分かっています」


ルーフェスが僕を嫌っていることは知っている。

いや、嫌悪では無く、無視だ。


そのぐらいは重々承知している。


「私たちが帰らなかった場合、お前は一人だ。頼れるものには頼って良い。けれど、絶対的な味方はもう居ないと思え」


「はい」


更にエレスはより真剣みを増した表情で告げた。


「ミリアが受けるかも知れない罰の半分はお前を生んだことに寄るものだ。それも覚えておけ」


「エレス!」


ミリアの抗議をエレスは無視する。

僕も真剣な顔で頷いた。


「はい、覚えておきます」


その言葉に苦笑いを浮かべたエレス。


「留守はメーリンに頼んであるが、万が一の場合にはユキアを頼れ」


「ユキア?」


聞いたことの無い名だ。


「私とミリアのかつての仲間だ。まぁ、メーリンはお前をそうそう見捨てはしないだろうし、そうはならないだろうが・・・」


万が一だ、とエレスは念を押すようにまた言った。

ユキアか。覚えておこう。


午後、出発の段になって、ミリアが散々ぐずった。


「いきたくなーい、ユノぉ!」


僕に抱きつきながらミリアがそう叫ぶ。


「なんでお前の方が子供なんだ!?ミリア」


だだをこねるミリアを無理矢理引き離して二人が去っていく。

その様子を見送りながら僕は苦笑した。


ああ、寂しいなぁ。


まぁ、それこそ、あの二人には万が一も無いだろうし、心配はしなくても大丈夫だけど。


でも寂しい。


母親に、そして、父親が去っていた気分。

大事な家族と別れた気分だ。

気分では無く、実際そうなのだ。


悲しくもなる。


「ありがとうございました」


僕は小さくなる二人の姿に頭を下げた。





◇◇◇◇◇





翌日のことだった。

僕が自分の家である別邸でいつものように訓練に勤しんでいるとメイドたちが急に慌ただしくなった。


何かあったのかな?

直ぐにリージュがやってくる。


「大変です!ユノさま」


「どうしたの?リージュ?」


とんでもない慌てようだ。これは何かあったな。


「本邸が火事です」


「ええ!?」


それは不味いな。

万が一、メーリンに害が及ぶと僕の立場が危うい。

僕は今はメーリンに頼っている状態だ。


彼女の庇護が無いと情勢は厳しい。

僕がここを去ることは決定的になるだろう。


ユフィやレオも心配だ。

様子を見に行きたいところだけど。


「大丈夫ですよ。本邸の食堂から出火したようですが直ぐに避難を開始しましたし、警護団も火消しをしています」


只の小火なのか。

僕は屋敷の外に出て確認する。

確かに煙は収まっている。


僕は納得するとテンションを戻した。


なるほど、出る幕無しか。

ちょっと残念な気もするし。


「ユノさまはここでお待ちください」


「・・・・・・うん、わかった」


大人たちが猫の手ならぬ幼児の手を当てにするはずもなく。

僕は皆の無事を祈りつつ、リージュの指示に従い、屋敷の中に戻った。




◇◇◇◇◇





やっかいだった冒険者が屋敷を去った次の日。

さっそく兼ねてから計画していた事をついに実行した。


ここまでの長き時間をこの作戦には費やした。

この屋敷に使用人として進入し、警護団の粗を見つけ、計画を練りに練り、そして爪を研いで待った。

待望の今日と言う日である。


あの厄介な魔術師と用心深い戦士が居ないこの時をずっと待っていたのだ。


男は屋敷に火を放った。

燃えやすいように、中にいる人間を孤立させる様に上手く火を付けた。

物陰に隠れて、屋敷の従者たちが慌てて逃げる様を眺めながら、男は待った。

やがて人の気が無くなるのを見計らって、ゆっくりと腰を上げた。


燃えさかる炎の中を歩き、目的地である夫人の部屋を目指す。


ノックもせずに扉を開ける。

事前に飲ませた睡眠薬が効いていれば、ここに夫人が。


「夫人ならいませんよ」


部屋の真ん中に一人立つ人物に男は目を見開いた。

柔和な顔のピアノ教師。


男は状況を理解し、呆然と呟いた。


しまった。


「罠だったのか!?」


「公爵夫人の誘拐を企てるとは随分と大きく出ましたね。ラダー教徒」


こちらの正体まで分かっているとは。


くそ。


計画前には入念な下調べをした。

これでもかと思うほどの念を入れた。


夫人の護衛の隙も見つけていた。

見つかるようなヘマをした覚えは無い。


しかし、失敗した。何故だ。

問題はなかった。はずなのに。


「何故だ!?」


男は震え、叫んだ。


「さて、何故でしょうねぇ」


ピアノ教師、ラスタスは苦笑した。

実際のところ、ラダー教徒の動向が分かったのはほんの偶然なのだ。

たまたま、ラダー教の暗躍を知り、守護の為にこの屋敷に網を張ったのが間に合ったようだ。


「すみませんが拘束させてもらいます。貴方には聞きたいことがたくさんありますので」


「しゃべると思うか!?」


ラスタスは男のその言葉にさらに苦笑を深める。

もはや嘲笑と言える表情で言った。


「我々、魔法使いが情報を得る方法が口からだけだと思っているのですか?」


その言葉を聞いて、ラダー教徒の男は狂相で叫びを上げた。


「おおぉおおおお我らが神に栄光あれぇええええ」


「な!?」


なにを。ラダー教徒は口に手を入れる。

その瞬間。強烈な光が生まれる。


爆発。


力場フォース


とっさに魔法の力場を展開する。

ラクタスの作り出した強力な力場が爆発の衝撃を弾いた。


「まさか、自害したのか!?」


ラクタスは爆発の跡から頭部の破砕した男の死体を見つけると自らの失態に苦々しく顔を歪めた。




◇◇◇◇◇





本邸の人間も続々とこちらに避難してきているようだ。

これ、小火どころの騒ぎじゃ無いだろう。


もっと違う何かが起こっている。


「どうしたの?」


僕がそうメイドに尋ねても、彼女たちは首を振る。

その中にレオの姿が見えた。


少しだけほっとした。


「ずいぶんと避難が早いな、レオ」


「な、なんだよ!別に良いだろ」


「レオ様、朝からずーとブランコに乗ってたんですよ」


横にいるお付きのメイドがそう告げた。

・・・・・・どんだけブランコにはまってるんだよ。お前。


「本邸のみんなは大丈夫なの?」


僕は本邸からやってきたメイドにそう尋ねた。


「はい、警護団も居ますし、問題はないはずです」


それは良かった。

しばらくするとメーリンが警護団に連れられてやってきた。


「レオ!無事だったのね」


「おかあさま」


随分と甘えた声でレオがメーリンに抱きつく。


「レオ。ユフィは?」


その言葉にドキッとする。

あの小さな子供の姿はまだ見ていない。


「知りません」


「そう」


おいおい、ユフィ、まだ見つかっていないのか?

小さなユフィは震えているかもしれない。心配だ。


どうしよう。やはり動くべきか?

正直、この世界のことは良くわからない。


ミリアは僕を盛んに天才と称するが本当なのだろうか?

エレスやミリアを見て、彼女たちのような人間が割と普通なら、僕の実力なんて本当に大した事はない。


観察が、経験が足りない。


物差しが正確で無い内に無闇に動くのは本当に危険だ。

そして無駄に動く分だけ、無駄な労力になる。

だが、ここぞと言う時、動かないと失う物もある。


安全と危険の錘が乗った天秤だ。


「メーリンさま!」


ユフィのお付きのメイドの声が聞こえた。

メーリンが振り返る。


「ユフィはどうなっているの?」


「それが部屋に確認に行っても誰もおらず」


なんだって!?

ユフィ、大丈夫なのか?


僕は焦燥に駆られて震えた。



◇◇◇◇◇




くっ、どうなっている。

落ち合うはずのラダー教徒がやってこない。


「メーリンの誘拐は失敗か」


自分も既に公爵の息子レオの確保に失敗した。

朝から部屋には居なかったらしい。


どうする。

このままでは今までの計画がすべて無駄だ。


いらいらしながら本邸の様子を探る。


すると別邸を目指して一人の子供が歩いているのを見つけた。


「だ、誰なの?」


小さな子供、あの公爵の娘か!

確か、名前はユフィ。これ幸いと子供の手を掴んだ。


「こっちにこい」


「え?おじさんだれ?」


「いいからこっちに来るんだ!」


「いやぁ!にいさま!」


騒ぐんじゃない!

子供は俺が眠り薬を嗅がせるとすぐにおとなしくなった。

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