その8継続
この前の第八話は誤りがありました。すいませんでしたm(_ _)mこちらが真の第八話なのでご了承ください。
「はっ!?」
エルシフが朝目覚めると、そこはなんの変哲もない平和な朝だった。
もちろんエルシフは森に行ったところから何も覚えてないわけで、夢を見たのだと思っている。
だが夢じゃないと気付くのもそう遅くはなかった。
学校の支度をし、家を出る。
それでもいつもと変わらぬ町の風景…生徒が友達と喋りながら行っている学校…平和そのものだった。
しかし教室に入ると慌ただしい空気が流れていた。
「ねぇねぇ聞いた?ゲラダくん達家から出られないらしいよ!なんか襲われる〜とか言って震えてるらしいよ」
気付いた時には学校を抜けだし、ガンムの森にいた。予想通り剣は木の下に突き刺さっていた。あの時と同じ…
「遅かったじゃねーか。エルシフ。待ちくたびれたぞ。」
血がついてボロボロになった剣の姿がそこにはあった。そして心に声が響く。
「エルシフよ。わしだ。魔王デミウルゴスだ。お前がこの剣を蘇らせてくれたおかげでわしは安心しておる。再び腐った人間共を葬り去る事ができるからな。」
そこで皆殺しの剣は今までのいきさつを話した。
エルシフがあまりにも不安そうな顔をしていたからだ。
「じゃあ英雄が世界を支配しようとしてたわけ!?」
「そうだ。だがもう心配することはない。皆殺しの剣が全て終わらしおった。」
「これからどうすればいい?」
エルシフの問いに魔王デミウルゴスは再びエルシフの心に話してきた。
「まぁ気楽に待て。まだ期は熟していない。お前が10年の齢を得て全てが再び幕を開ける。そうだ…暗黒の時代だ。
10年たったら再びこの剣の柄を握れ。魔王の血をひくものよ。」
ぽかんと口を開けてただじっと剣を見ている。
「俺が…魔王の血をひくもの?冗談だろ?いじめられっ子の俺が?」
「そうだ…お前はこのデミウルゴスの孫にあたるのだ。」
エルシフの両親は母親しかいなく、父親はエルシフが幼い頃に亡くなっているのだった。
信じられなかった。森の中はいつにもまして静寂につつまれていた。
「10年後、待っているぞ。」
10年後…エルシフの新たな危険のプロローグが始まる…