ぷろろーぐ
「うぁぁぁぁぁ!なんだこれ!」
突然少年の目の前に現れたのは、銀色の髑髏の印がはいった大きな剣だった。その剣は木の下に突き刺さっており、誰もが感じるおぞましい気を漂わせていた。恐る恐るこの剣に手をとると、
「チッ、小僧か…」
少年は驚きの声をあげた。
剣が喋った…いや、正確にいうと喋っているのはあの髑髏の印だ。
「大剣士か誰かが拾ってくれるだろうと思ってたが、そうはいかねぇみたいだな。」
まるで地獄の底から這い上がってきた悪魔のような声だ。
少年は黙ってただただ呆然と恐怖で固まっている。
「小僧…名前はなんだ?」
剣が静かに問うと
「エ、エルシフです…」
とまだ恐怖で十分声が出せない少年エルシフが答えた。「そうか…エルシフか…残念だったな…今日から俺がお前を支配する。俺の名は、マサカァソード。そう、皆殺しの剣だ。」
泡を食ったように固まり続けるエルシフ。
「み、皆殺し!?そ、そ、そんなぁ…」
「心配するな。貴様は殺さん。私の糧になってもらうがな。ふふ、はははははは!」けたたましい笑い声が森の中に響く。
剣はひとりでに地面から抜け、今はエルシフの手中にある。
「久しぶりに世界を見に行ってみるか!はははははは!!」
剣のテンションは上がるがエルシフのテンションは当惑と恐怖でどん底に落ちていた。
「人生最悪の日だ…クラスメイトにいじめられるわ変な剣拾うわ…」
かくして皆殺しの剣とエルシフの壮絶な生活が始まった。