よかった
“絶対に来ちゃダメだよ”
“近づいたら絶交だよ”
広い広い草原に、うさぎが一匹泣いています。
えんえん、えんえん、泣いています。
周りには誰もいません。
うさぎは独りです。
“どうして皆追い出すの?ぼくのこと嫌いになったの”
“わからないよ、寂しいよ”
昼も夜も泣きました。
一日中泣き続けました。
目が真っ赤になったことでやっと泣き止みました。
うさぎは泣きつかれ、うとうととし始めました。
“理由、教えて欲しかったなあ”
うさぎがそう思ったとき
“うさぎくんどこ〜?”
聞こえてきたのは、きつねの声でした。
うさぎはびっくりしました。
けれど、きつねはうさぎを見つけとお構いなしにどんどん引っ張っていきました。
“速くおいでよ”
“どこいくの?”
“いいから、いいから”
着いたところは、皆で作った秘密基地。
“ごめんね
ほんとはすぐに呼びに行きたかったけど、準備がおわらなかったんだ”
うさぎは何のことかわからなく、不思議に思って中を覗いてみました
すると
“うさぎくん
誕生日おめでとう!”
くまやねずみ、ねずみにことり、皆がにこにこ笑っていました。
“ありがとう”
“嫌いになったんじゃなかったんだ”