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伯爵令嬢アンマリアのダイエット大作戦  作者: 未羊
第三章 学園編

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89/92

第89話 そういえば誕生日が近いです

 さて、本来ならいろいろと起きるはずの入学したての時期だというのに、まったくと言っていいほど何の事件もイベントも起きなかった。私があれやこれやと好き勝手にやって来たがゆえに、シナリオがどうやら呼吸困難になってしまったらしい。まあ、フィレン王子かリブロ王子ルート固定の上に、リブロ王子があんな事になっちゃっては、シナリオさんもきっと空気を読んだって事でしょうね。シナリオ補正なんてなかったんや……。

 あれよあれよと時は過ぎていき、フィレン王子の誕生日が近付いてきていた。誕生日は全攻略対象キャラの中ではフィレン王子が一番早い。ちなみにリブロ王子がその次だ。そして、タン、カービル、タカーの順番に誕生日が巡ってくる。

 ヒロインとライバル令嬢の誕生日だけれども、アンマリア()の誕生日は自由設定だ。私の場合は、前世の私の誕生日1月10日がそのまま適用されている。その後は、サクラ、モモ、サキ、最後がラムという順番である。

 全員を順番に並べるとこうなる。


 サクラ、12ターン目。

 フィレン、15ターン目。

 モモ、20ターン目。

 リブロ、22ターン目。

 サキ、24ターン目。

 タン、25ターン目。

 カービル、31ターン目。

 タカー、36ターン目。

 ラム、40ターン目。


 それぞれの好感度に応じて、誕生日イベントが必ずそのターンのお休みの日に発生するようになっているのが、ゲームの設定。狙っている攻略対象に合わせてヒロインの誕生日を設定するっていうのもあったわね。誕生日を同じにする事で発生する特殊イベントもあったもの。本当に妙なところだけは凝ってるのよね、あのゲーム。

 っと、フィレン王子の前にサクラの誕生日か……。あの脳筋少女に贈るものって何がいいのかしらね。それにしても、意外と誕生日って年の最初の方にないのね。私の今の両親だって、年の半ばくらいだものね。ちなみにどっちも26ターン目よ。

「お姉様。何をなさってられるのですか?」

「何って、誕生日プレゼントの作製よ。あと4ター……じゃなかった、4週間もすればフィレン殿下の誕生日なのよ? 婚約者として何も贈らないわけにはいかないわ」

 ひょっこりと私の部屋にやって来たモモに質問されて、私はそのように返しておく。素っ気ない感じだけれども、さすがに今の私はフィレン王子とリブロ王子の婚約者という立場なのだ。贈り物をするというのはもはや義務と言えよう。

 それに比べてモモは、ただの貴族令嬢なので個人として贈り物をする必要はない。すべては家長である父親が済ませてくれるのだ。実に気楽なものである。

「それに、来週にはサクラ様も誕生日を迎えられるわ。友人として贈り物をしないのは、気が引けるというものよ」

「それなら、私も何かお贈りした方がよろしいでしょうか」

「モモはそこまで気を遣わなくてもいいと思うわ。まあ、友人として贈りたい気持ちはあるでしょうけれど、彼女はちょっと普通の令嬢と感覚がずれてると思うのよ。多分、モモの感性で贈っても、喜ばれないじゃないかしら」

 不安そうな顔をしているモモに、私はそのように諭しておく。その上で、

「私と一緒に作るという事にしましょう。忙しいけれど、そのくらいの時間は確保できると思うから」

 私と一緒に作るという事を提案しておく。手伝ったのであれば、モモだって満足できるはずである。うん、我ながらナイスアイディア。

「分かりました。お姉様がそう仰るのでしたら、それに従います」

 うんー? ちょっと微妙な反応だぞー?

 これは実に予想外な反応だった。モモも13歳だから、自分でどうにかしたいって事なのかしらね。まあ、姉離れは寂しいようで嬉しいわね。

「モモ、自分で何かしたいっていう気持ちは確かに大事よ。でも、同時に相手の事も考えられなければ、それはただのわがままでしかないわ。贈る相手の事を知るのは、とにかく重要な事よ?」

 ちょっと戸惑いはしたものの、私はモモにそのようにアドバイスを送っておく。私の言葉に何か思ったのか、モモは黙って頷いていた。そして、納得したようにおとなしく部屋を出ていった。

 とまぁ、ちょっと手が止まってしまったものの、私はサクラへの誕生日プレゼントの製作に取り掛かった。あれだけの脳筋お嬢様だもの、王子の話では何やら剣を見ながら考え事をしていたらしいから、新しい剣を贈る事に決めたわ。

 剣とはいっても、私の手元には金属はないのよねぇ。今から仕入れるにしても時間がなさすぎるわ。となると、魔石とトレント木材で作るのが一番かしら。魔力加工をしてやれば魔石でも強度を持つものね。ついでだから、フィレン王子への贈り物の一つもそれにしましょう。

 というわけで、私は魔石を数個とトレント木材を取り出して、魔力でどんどんと加工していく。そして、それらはあっという間に普通の一般的な剣へと姿を変えた。刃の部分は魔石、柄の部分はトレント木材という、なんともアンバランスなどう見ても飾り物のような剣ができてしまった。うん、私から見てもセンスが悪い。

 こうやって、私が贈りもの作りをしていると、突然ドレスのポケットが光り出したのだった。

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