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伯爵令嬢アンマリアのダイエット大作戦  作者: 未羊
第三章 学園編

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第68話 嵐の予感しかない

 さて、入学式に臨んだ私たちは、実に退屈な校長の挨拶という拷問にさらされていた。どうして偉い人の話ってこうも無駄に長いのか。故事や逸話を引っ張り出してくるせいで本当に長い。

 それがようやく終わったかと思うと、今度は一人一人能力チェックを受けていく。これによってクラス分けが行われるようなのだ。洗礼式で大まかな方向性は示されていたが、そこから5年経った今、どれだけ成長したのかチェックするという事なのだろうか、実に面倒だけど、能力が分かる事で適切なクラス分けができるでしょうね。合わない勉強はしなくていいんだからね。

「あら、アンマリア様。お久しぶりでございます」

「サクラ様ではないですか。お久しぶりです」

 その最中に、サクラ・バッサーシと出会った。相変わらずの筋肉質な体をしている。いやなにその見るからに筋肉の塊のようなボディは……。

「筋肉こそパワー、パワーこそ力なのですよ」

 いや、どこかの筋肉芸人みたいな事言わないでちょうだい。サクラは相変わらず脳筋一直線のようだった。ま、王国の北西部の守護を任された辺境伯の娘だものね、力は要るわよね……。私はとにかくどう反応していいのか困っていた。

「それにしても、アンマリア様のお体も実にご立派ですよ。何ものも跳ね返せそうですね!」

 失礼だわ。まあ、太ってる事をバカにしている様子じゃないし、彼女なりの気遣いなんでしょうね。うん、怒る気にもならないわ。

「アンマリア様、おはようございます」

 今度はサキ・テトリバーがやって来た。

「サキ様、おはようございます。家の方はどうでございますかしら」

「はい、アンマリア様方のご尽力のおかげで、過去ないくらいに潤沢でございます。ミール王国との取引も順調でして、私の家の領地の小麦がよく売れています」

 どうやら、ミール王国の海産物とテトリバー男爵領の小麦の相性はとても良かったらしい。たこ焼き、お好み焼き、てんぷら、フライ……。うん、海産物と小麦は相性ばっちりよね。この世界はあれだけ食が充実しているのに、意外とこういう抜けがあったりするのよ。大体は国同士の仲が悪いとか政治のせいだわ。本当にもったいない。

 テトリバー男爵家の最大の取引相手であるボンジール商会も、この取引でかなりの利益を出している模様。これでも一回解体寸前まで行ったんだから末恐ろしいものね。まあ理由は商売のせいじゃないんだけどね。

 こうした交流をしていると、順番に能力チェックの出番が回ってくる。私たちヒロイン、ライバル令嬢組はこんな感じの結果だったわ。

 私は魔法型で、武術系の判定も結構高かった。家が抱える騎士と時々稽古をしていたのが功を奏したみたい。痩せるための特訓だったんだけどね。

 養子に向かえた義理の妹のモモは魔法型。さすがに長所を伸ばすようにしていたので、適性の火属性に関しては私には劣るもののトップクラスだった。

 筋肉だるまのサクラは、さすがの武術型。特に剣や槍への適性が高いだけれども、本人は長斧を使っているらしい。ハルバートかしらね。

 サキは魔法型。光と氷という事で癒しの力を持つ聖女候補だ。ちなみに癒しの魔法に関してはお茶会の際にこつこつと話をしておいたので、今では病気なんかも治せちゃうのよね。適性って怖い。

 ラムは痩せた事もあってか、魔法型ではありながらも、武術型の適性も見出していた。うーん、一番ゲームとの違いに驚くわね。

 というわけで、サクラ以外はクラスが一緒という結果になった。予想通り。

「皆さんも終わったようですね。どうでしたか?」

 令嬢軍団でわいわいと話をしていると、フィレン王子がやって来た。なんでこっちに来るのかしら。

「サクラ様だけが武術型で、残りはみんな魔法型でしたわ。殿下はいかがでしたか?」

 とりあえず代表して私が答える。

「そうか、残念ですね。私は武術型でしたよ」

 本当に残念そうに話すフィレン王子。騎士団と一緒に訓練していれば、そうなっちゃいますってば。婚約者二人とクラスが違ってしまった事に、ここまで凹むとは正直思わなかった。

「お昼とか、夕方とか、その気になればいつでも顔を合わせられますわよ。そこまで気落ちなさらないで下さいませ」

 私はとりあえずフォローをしておいた。なんでこんな事しなきゃいけないのよ。

 ところが、こうしたやり取りの中、その空気をぶち壊す下品な声が響き渡る。

「おいおい、サーロイン王国の王子はそんな情けない奴なのか」

 事もあろうに、そのサーロイン王国の学園でケンカを売るような物言いをする奴が現れた。私の記憶が正しければ、そんな事をする奴は一人しか居ない。

「口を慎んで下さいませ、アーサリー殿下」

 そう、お隣ミール王国から宣言通り留学してきたアーサリー・ミール王子である。性格が悪そうな王子の留学に、本当に面倒事しか起きない予感がひしひしと過るのだった。

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