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伯爵令嬢アンマリアのダイエット大作戦  作者: 未羊
第一章 転生、アンマリア

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第5話 恩恵を確認してみる

 私の目の前に現れた不思議な画面。それを見た父親が私を問い詰めてくる。

「アンマリアよ、これは一体何なのだ? 一体何をしたというのだ」

 顔色が悪いし、とても慌てている。

「お、お父様、落ち着いて下さい」

「これが落ち着いていられるというか!」

 目の前に奇妙なものが出てきた事で完全に取り乱している父親に、私は正直どうしたものかと焦っている。とりあえずは父親を宥めながら、画面に表示されている内容を確認する。


『アンマリア・ファッティ 女性 8歳 51kg

 属性適性 全属性

 職業適性 望むがままに

 恩恵 運命の迷い子

    恩恵に溢れし者

    全能の超人』


 とりあえず、力とかのパラメータ以外の項目だけ抜粋するとこんな感じだ。恩恵が3つもある。

 更なる父親の興奮を誘っていたのは、おそらく属性適性の全属性とかその辺りだろう。2属性でもそれほど多くないというのに、全属性だもの。興奮しないでという方が無理だ。

 それにしても、恩恵の項目の一番上がいきなり怪しすぎる。とくにかく私は、それぞれの恩恵の詳細を確認していく。


『運命の迷い子

 星に定められた運命を持たない者に贈られる称号。己の道を自分で切り拓ける力を持つ』


 恩恵というか、好きなままに生きろというような感じのものだった。

「アンマリア、これはどういう事だ?」

 私が開いた1個目の恩恵の解説を見ながら、父親が尋ねてくる。

「どう言ったらよいのでしょうか。私はお父様の子で貴族ですが、それにこだわらなくてもよいという事ではないかと思われます」

 つまりはゲームのヒロインのように、マルチエンディングを歩む事ができるという事なのかも知れない。確かに、ゲームのエンディングの中には、攻略対象そっちのけでライバル令嬢と結ばれるという百合エンドまで存在していた。一体何を考えているんだ開発陣。まぁ、単純にそういう事なのだと自分を納得させる。まぁ、目の前の父親は全然納得していないようだが。貴族の子は貴族の異性と結婚するのが当たり前の世の中だからしょうがない。

 私は1つ目の詳細を閉じて、2つ目より先に非常に分かりやすい3つ目の項目の詳細を表示させる。


『全能の超人

 あらゆる分野を極める事ができる能力を持った者に贈られる称号。1つ2つと言わず、世の中のすべてを極めたまえ』


 私は文言を見て反応に困った。なにこれ、私に覇王にでもなれというのだろうか。2つ目の文章がとても煽ってきている。

 だが、これを見た父親の顔は、とても興奮していた。まあ、何でも極められるといったら、そうなるでしょうね。魔法だろうと剣だろうと学問だろうと、その気になれば私はその分野のエキスパートになれるのだ。もちろん努力は必要だろうけれど。

 これもゲームでの能力を表したものだ。アンマリアはすごく太っているのに育成次第じゃ機敏な動きで敵をばっさばっさとなぎ倒していくし、魔法だって全属性の全魔法を覚える事ができる。賢さを積めば試験なんて満点を連発するし、すべてを極めた完璧超人にだってなれるのだ。

 私だって、プレイを重ねていくうちにその完璧超人育成だってできた。ただし、プレイヤーである自分自身が廃人になりかけたけど。もしかして転生したのってそのせいだったりする?

 私は父親の興奮する顔をなるべく見ないようにしながら、説明文を閉じる。

 そして、最後の真ん中の恩恵の確認を行う。


『恩恵に溢れし者

 自分だけではなく、自分の周りにも恩恵をもたらす慈愛の存在。あふれ出る慈愛に恩恵が集まっていき、その身にまとう。その恩恵の蓄積や放出はとても分かりやすい形で現れる。ただし、この現象は魔力を扱う熟練度が一定に達するか13歳になると魔力へと変換されるようになる』


 この説明文を見た時、私の中に大きな雷が落ちた。私はこの説明文を一瞬で理解してしまったのだ。

 ちくしょう、私が太りやすいのはこの恩恵のせいか……。

 この状態を解消しようと思っても、魔力の熟練度を一定レベルまで上げないといけないらしい。基準が分からないので、13歳までは確実にこの状態が続く事になるらしい。このままじゃゲームと同じように13歳120kgのまん丸なアンマリアが完成してしまうわ。どうしたらいいのかしら……。

 ただ、私は別の事にも気が付いた。困った事に、太れば太るほどに溜め込んだ恩恵が大きくなるという事になるのだ。私の体重の変化は、そのまま恩恵の大小へとつながるという事なのである。ああ、だから第一王子は一番痩せた時の対象になるわけか。国政に関わる事になる以上、恩恵は国外にまで広がるというわけだ。ヤッテラレマスカ。

 だが、私はこの後失敗した。

 父親に説明を求められた時に、私が理解した内容をそのまま伝えてしまったのだ。そうしたら父親からは恐ろしい言葉を告げられてしまう。

「13歳、つまり学園に入学するまでは、アンマリアは痩せてはならんぞ!」

 私は白目をむいた。気絶こそしなかったものの、この世の終わりを感じてしまった。アンマリアに転生した私が、ゲームと同じように『ダイエット令嬢』となる運命が確定した瞬間だった。

(うそでしょぉぉぉぉぉっ!!)

 その晩、私は涙で枕を濡らしたのだった。

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