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伯爵令嬢アンマリアのダイエット大作戦  作者: 未羊
第一章 転生、アンマリア

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第47話 形違えど……

 モモ・ハーツ改め、モモ・ファッティを家族に迎えた私。

 しかし、ここでひとつ懸念を思い出した。

 そう、大体この手の養子を迎えた場合、義理の妹はたいていの場合、義姉である主人公に対して敵愾心を抱くのだ。しかも、わがままで世間知らずというのが多く、聞き分けがすこぶる悪いのだ。仲良くなるパターンは実に少ない。モモといえば洗礼式で人を惹きつける恩恵を貰っていたので、その手の懸念は持たざるを得ないのが現実だった。ただ、違うのは、モモは貴族としての教養がそこそこ備わっている事くらいだ。なんと言っても元々は子爵令嬢なのだから。

(誕生日は私の方が確実に先ですわね。となれば、当然こうなるかしら)

 私は早速、モモからお姉様と呼ばれていた。裏表は特になさそうな感じである。

「モモ? 何か企んでいるとかないわよね?」

「お姉様、私を疑うのですか? あの両親から救い出して頂いたのです、感謝すれど恨むなどありえますでしょうか」

 つい懸念を口にしてしまった私だけれど、モモははっきりと否定してきた。

「伯爵家に迎えて頂けただけで嬉しいですのに、乗っ取るなど恩を仇で返す様な事、どうしてできるというのでしょうか」

「申し訳ありませんでした。ちょっと疑ってかかりすぎでしたね」

 モモが怒っているので、私は謝っておく。すると、あっという間にモモは機嫌を直していた。

「助けて頂いたからには、このファッティ家のために私もしっかりと振る舞わせて頂きます。頑張りましょう、お姉様」

 そして、両手の拳を握って、キラキラと私を見てくるモモ。笑顔が眩し過ぎる。ゲームでは一番仲の良かったモモだけど、なるほど、この天真爛漫さのせいだったのね。

「ええ。こんなに太ってる姉ですけど、一緒に頑張りましょうね」

「はいっ!」

 わあ、とんでもなくいい子だったわ。本当に疑ってごめんなさい。

 本当に両親があんなに捻くれた感じだったのに、モモはとても素直でいい子だった。私が向かうところにはついて来て、一緒に頑張っている。本当に微笑ましい子だわ。

「そういえば、お姉様」

「何かしら」

「お姉様はどうして、こうやって庭の手入れをされているのです?」

 モモが不思議そうに、午後の私の日課に疑問を呈してきた。うん、普通の令嬢はしないものね。

「私なりの特訓なのです。ただ体を動かすだけではなく、自然に触れる事によってマナを感じやすくして、魔法を使いやすくするためですね」

「な、なるほど! さすがお姉様です」

 マナというのは魔法を扱う上で魔力の元になるものだ。自然界にはあふれているので、自然に触れるという事はマナに触れる事になる。なので何も間違ってはいないのだ、ヨシッ!

 それにしても、平民街で会った元ハーツ子爵夫妻はものすごい歪んだ性格をしていた。あの両親の下で育って、どうしてゲームにしてもここにしても、こんな素直な子が育ったのだろうか。本当に世の中分からないものである。

 私の方もモモの事は気に入ったので、とにかく勉強も魔法も一緒に行った。同い年なのだから、これぐらいは普通だと思う。

 改めてモモの姿を見るけれど、本当にゲーム内でぽっちゃりしているとは思えないくらいに、普通の美少女である。モモの体重は詳しくは言わないけれど、70~85kgの攻略対象の時のライバル令嬢なので、ゲーム内ではそのどこかくらいの体重があったという事なのだ。どうして太っちゃったのかしらね……。

 これでゲーム内のライバル令嬢とは全員知り合った上で仲良くもなったのよね。最初からぽっちゃりしていた自分もそうだけど、ラムもずいぶんとぽっちゃりとしてたわね。それでも、サクラに教えてもらったトレーニング方法でみるみる体重を落としてきているし、サキも見るからに美少女だし、サクラは常識のある脳筋で逆に異質よね。美少女なんだけどさ、8歳で上腕二頭筋が発達してるって何よね……。将来ボディビルダーにでもなるつもりかしら。

 いろいろ思うところはあるのだが、とりあえずはセンマイの指導の下、モモと一緒に庭の手入れを頑張る私だった。


「ふぅ、これでとりあえずはひと通り会ったかしらね。誰か忘れているような気がするけれど、まあいっか」

 夕食後に自室で一人になった私は、スーラに紙を持って来てもらって魔石ペンでメモを取り始めた。

「登場人物の関係性を改めて書き出しておきましょうかね。転生からずいぶんと経つし、このままじゃゲームの知識がすっぽりと抜け落ちて行っちゃうから、分かりやすい形にして残しとかなくっちゃね」

 というわけで私は、ゲーム本編中のイベントやらキャラクターの容姿や身の上などを次々と思い出す限り書き留めていった。悔しいけれど、本編ほぼすべて言えるくらいにやり込んでいたはずなのに、もうすでにぽろぽろと記憶は抜け落ちていっていた。この時点でゲームとはすでにだいぶ違う世界線をたどってはいるものの、形を変えながらも本編のイベントが起きるかも知れないし、備えあれば憂いなし。

「ああ、こんな事なら転生直後にメモしておくんだったわ。私のバカ……」

 というわけで、私はほぼ徹夜覚悟で必死にメモに起こしていったのだった。

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