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伯爵令嬢アンマリアのダイエット大作戦  作者: 未羊
第五章 2年目前半

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252/263

第252話 ドキドキ、ダブルデート(後編)

 ラムとカービル、それとサクラとタンの四人となった一行は、ひとまずはわいわいと昼食を取っていた

 サクラとタンが食べていたものを見て、ラムとカービルは呆気に取られていたのは言うまでもない。なにせこの脳筋コンビ、かなりの量の肉を食べていたのだから。さすがは脳筋コンビと言える。

「お二人とも、そんなに食べて大丈夫なのですか?」

「平気ですよ」

 ラムからの質問に、ひとまず口の中を空にしたサクラが答える。

「いや、財布的に大丈夫かっていうのもあるんだけどね……」

 カービルが追撃の質問をぶつける。

「大丈夫ですよ。このくらいならいつもの量ですし、それくらいの想定をして持ち歩いていますからね」

 これにもサクラはにっこりと答えていた。

 だが、さすがにタンの食べている量が計算に入っていなかったようだ。会計の時にタンを睨んで、自分の分を払わせていた。その光景にラムとカービルは苦笑いをしていた。

「うっかりしてましたね。自分だけではなく、タン様が居る事を失念しておりました」

「なんでそうなるんだよ! 今日に限ってはずっと一緒に居ただろうが!」

 サクラが頬に手を当てて失敗したという態度を取っていると、タンがすぐさま大声でツッコミを入れていた。やっぱりこの二人はなんだかんだで合うようである。

 そんな夫婦漫才のようなやり取りを見せられて、ラムとカービルは揃って笑いっぱなしになっていた。


 飲食店を出ると、ラムは改めてサクラたちを見る。

「それでは、どこへ向かいましょうか」

 デートプランの確認である。カービルにエスコートさせるつもりだったので、ラムは最初から今日の予定は考えていなかったのだ。

「それでしたら、あそこがよろしいと思います。ちょっと行くのが大変ですけれど」

 サクラが手を合わせながら話している。はて、一体どこへと行こうというのだろうか。

 一行がたどり着いた場所は王都を一望できるだけの場所、王城の尖塔だったのだ。辺境伯令嬢としての権限を使ったのである。普通ならば入れない場所ではあるものの、サーロイン王国の三大辺境伯のひとつであるバッサーシ辺境伯の名を使ったのだ。

 王家に多大な貢献をしてきたバッサーシ辺境伯の名の力は絶大で、簡単に尖塔に昇る許可が下りたのである。本来なら宰相クラスの許可が必要なのだが、そこはそこである。

「ぜえ……ぜえ……。ちょ、頂上は……まだなのか?」

 尖塔に昇る真っ最中、カービルはただ一人息が上がっていた。他の三人はまったく平気のようである。ちなみに、ゲーム中のラムだったら、昇る事すらできなかっただろう。だが、ここに居るラムはバッサーシ流運動術で健康的になった姿だ。この程度の運動でへばるような事はなかった。

「ら、ラム嬢。なんでそんなに、元気なのですか?」

「鍛えているからですよ。ほら」

 カービルの質問に答えたラムは、途中にあった踊り場に到着すると、カービルを軽々と持ちあげてしまった。マジですか、この公爵令嬢。

 あまりの光景に目を白黒とさせてしまうカービル。その様子を、タンとカービルはにやにやとした様子で眺めていた。カービルとしては恥ずかしいのだが、尖塔の中の階段は手すりがないので暴れられなかった。結局、尖塔の頂上までそのまま抱きかかえられていた。

「さあ、着きましたわね」

 尖塔の頂上にたどり着いたラムたち。

「うわぁ……」

 尖塔から見る王都の景色は格別だった。

「王都ってこんなに大きかったのですわね」

「大体はあっちの方向しか行った事なかったな。俺の家のミノレバー領もバッサーシ辺境伯領と同じ方向だからな」

 ラムたちは王都の街並みを見て感動している。ただ一人、カービルを除いて。

「カービル様、ご一緒にご覧になりましょう。大丈夫ですわよ、落っこちたりはしませんわ」

「わ、私は、高いところが、だ、ダメなんだ……」

 ラムの誘いに、なんとそんな事を言って断ろうとするカービルだった。高所恐怖症とは、意外な弱点である。

「はははっ、普段は落ち着いた感じで分からなかったが、そんな弱点があったとはな。人は何かしら不得手も持ち合わせているという事か、わははははっ、あがっ!」

「タン様、笑い過ぎです。そんな事だから脳筋だとか言われるのですよ。もう少し気遣って差し上げて下さい」

 タンの首筋に、サクラのチョップが決まる。そんな事をしながらも、淡々と喋れるサクラも大概だった。

 それを見ながら笑うラムに、体力のなさと高所恐怖症のダブルパンチで青ざめるカービル。四人はそれぞれに、しばらく尖塔でのひと時を過ごしたのだった。

「カービル様、わたくしはいつでもそばに居て支えてさし上げますから、どうぞいつでも甘えて下さいませ」

「ラム嬢……」

 最後の最後で甘々な状況を見せられたサクラとタンは、顔を真っ赤にしてその姿を見ていたのだった。


 余談だが、尖塔を降りたところで宰相バラクーダに待ち構えられていて、こっぴどく怒られたのは言うまでもなかった。それでも、ラムたちは満足そうに帰っていったわけだが、立入禁止箇所に入るなら、ちゃんとしかるべき相手から許可をもらおう。

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