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伯爵令嬢アンマリアのダイエット大作戦  作者: 未羊
第一章 転生、アンマリア

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第21話 要るコネと要らないコネ

 夜会を終えた私は、翌日からは魔法の勉強を再開した。

 普通ならば転生者の場合は食事事情に苦しむところなのだけど、何と言っても私が転生した先は、とにかく食べ物の誘惑が豊富な世界なのだ。そう、この世界の料理は、現代の地球と比べてもそん色しないくらいに恵まれていたのだ。うん、それは太るわね、アンマリア()

 そういうわけで、食事にあまり気を割かなくていいので、私はこうやって淑女教育以外にも、魔法の勉強をしたり運動をしたりと、実に余裕を持って過ごせるというわけなのよ。おーほっほっほっ!

 とは言ってみたものの、やっぱり調味料の類だけはちょっと物足りない。何と言っても日本人ならなじみ深い味噌や醤油は存在していない。ただ、海が近いので魚醤っぽいものは存在していた。

 とはいえ贅沢は言っていられない。私の体質がゲーム通りなら、本当に太りやすいからだ。どのくらいかと言われたら、野菜でも太る、水でも太るなんていうイベントも存在したくらい太りやすい。これが唯一の懸案事項かしらね。なにせ、ちょっとした事で文字通り水泡に帰すわけだもの。油断はできないわ。

 だからこそ、私はダイエット貯金なるものを継続しているわけだし、体質改善にだって力を入れている。やっぱり食うんぬんよりも体質改善よね!

 私は貴族の8歳の令嬢とは思えないくらいにとにかく動きまくった。お転婆なのははしたないとか言われる事は確かにあるものの、体力作りは基本ですもの、やめられませんわよ。

 さて、婚約者候補の発表のあった夜会から、父親に会いに来る貴族や商人がとにかく増えていた。父親には大臣としての権力があるというのに、そこに加えて二人の王子の婚約者候補という立場が娘である私に加わった。というわけで、ますます権力を持ちそうな父親にたくさんの貴族や商人がおべっかを使いに来ているというわけだ。

 でも、私の家にはひとつ問題があった。それは跡取りの問題。現状子どもは私しか居ないので、私が嫁ぐ事になれば家督を継ぐ者は居なくなってしまう。私が王族に嫁げばランクアップはするけれど、ファッティ家は親の代限りという事になってしまうのだ。それもそれで何か寂しい気もする。

(まあそれは、両親に頑張ってもらうしかないわね。私は私のやるべき事をするだけだもの)

 私は今日も自分磨きに勤しんでいた。


 夜会から一週間もすれば、父親の周りの動きもようやく落ち着いてきた。足しげく通っていた人も居たようだけど、父親につっけんどんに追い返されてしまって、とうとう諦めたみたい。さすがはやり手の大臣、立ち振る舞いが違う。

 ちなみに、私の両親は私と同じように食生活の改善の行っていて、明らかに体形が変わってきていた。私は恩恵のせいで体重が変わらないどころかどんどんと増えていくけれど、両親にはそういった縛りが存在しないので、努力すればした分だけ痩せていくのよ。なにこれ差別?

 そんな折、両親が夕食の席で急な話を持ち出してきた。

「そろそろ、マリーの名前でお茶会を開いてみてはどうかな?」

「いいですわね。お作法もちゃんと身に付いていますし、アンマリアが手を入れたお庭を会場にやってみるのも一興ですわね」

 なんで本人よりも親がそんなにやる気なんでしょうかね。まあ、私だってやれと言われたら、お茶会くらいはやりますよ。

 両親が乗り気で私も断る気が無いとなれば、ほいほいとお茶会の話は進んでいった。とりあえず私の名で主催するのは初めてとなるので、母親に手伝ってもらってのお茶会となる事が決まった。

 そうなると、なんとも面倒な作業が待っていた。

「うー、一体何通出せばいいのかしら。一通一通手書きだなんて、腱鞘炎になりかねないわ」

 億劫とした気持ちで机に向かう私は、母親にリストアップしてもらった貴族令嬢の名前を見ながら、お茶会の招待状を書いていた。この手の世界にパソコンのような便利なものはないので、すべてはペンとインクを使って手書きというわけなのだ。そりゃもう、まるでレンコンのような腕の私にはきつすぎる。唸っているせいで、心なしか椅子がミシミシという音を立てているような錯覚に陥る。

 しかし、やらなきゃいけないと思いつつも気の進まない招待状の作成は、本当に苦痛でしかなかった。

 先日、公爵令嬢のお茶会に参列したとはいっても、それほど親しい友だちができたわけではない。とりあえずは婚約者候補になったという事で、男性陣を招かずに済むのはよかった。それだけ作成する招待状の数が大幅に減るのだから。それでも、同い年だけではなく年上の令嬢まで招くので、書く枚数がとにかく多い。本当に腱鞘炎になりそうで困ったものである。イラストを描いていた時期もあるけれど、さすがにここまで長時間って事はなかったもの。あー、腕が痛い。

 どうにかこうにか母親のチェックを受けながら何時間もかけてようやく招待状を書き終わった私は、ぐぐっと背伸びをする。少々痛みを感じたものの、何とも解放された気がしてとても気持ちがよかった。

 これからの先の事を考えれば、幼いうちから交友関係を築いておく事は重要だと思うもの。そんなわけで、私も貴族としての生活にいい加減慣れていかなきゃね。私は腹を括ったのだった。

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