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伯爵令嬢アンマリアのダイエット大作戦  作者: 未羊
第三章 学園編

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137/236

第137話 追加コンテンツとか聞いてませんわよ

「異世界転生している私たち以上に、荒唐無稽なものってあるのかしら」

 私はエスカに笑いながら言う。

「私もそう思うのですが、さすがに先日の夢は不思議なものでしたわよ」

 エスカはすごくまじめな顔をしている。さすがにそんな顔をされては、私も真面目に対応せざるを得ない。

「それじゃ、その内容を聞かせてもらえるかしら」

 私がこう言うと、エスカは夢の内容を語り出した。

 正直、驚くというよりは呆れる内容だった。

「どうやら、私とお兄様は、拡張版に登場するキャラのようですよ。拡張版ではサーロイン王国の周りの国にも焦点が当たります。ヒロイン選択もできますし、拡張版というよりも、もはや別ゲーですわね」

「なんて言うか、私をヒロインから外したら、タイトル詐欺じゃなくて?」

「私もそう思いますけれどね。ただ、一年遅れでやって来る北西の国ベジタリウス王国の王女様もかなりの恵まれたお姿らしいですわ」

 恵まれたお姿……。その言葉に私は笑う事はできなかった。むしろ頭が痛い。

 エスカが言うには『アンマリアの恋愛ダイエット大作戦』に追加エピソードを放り込んだ拡張版が発売されて、ミール王国とベジタリウス王国という2国が新たに舞台に加えられたらしい。ちなみにヒロインはベジタリウス王国の王女ミズーナ・ベジタリウスが追加されたらしいけれど、設定はほとんど私と一緒。違うのは王族という事と髪の色が鮮やか緑色というところらしい。はあ、正直面倒くさい。変なフラグ立ててくれるんじゃないわよ。

 ちなみにあのアーサリーは追加の攻略対象らしい。ほんまかいな。

 隠しの攻略対象も追加。アンマリアルートではベジタリウス王国の王子レッタス・ベジタリウス、ミズーナルートではサーロイン王国に一人増えるらしいけれど、年齢が1つ下なのでこの場には居ないらしい。

「夢で見た……にしてはやけに具体的過ぎね。私はそんな夢見てないんだけど、私がヒロインだからなのかしらね」

 私は顎を抱えて考え込む。

「そうかも知れませんわね。私は攻略対象アーサリー王子ルートのライバル令嬢ですわよ。ただ王女ですから、ただの妨害をするだけには飽き足らず、攻略対象と結ばれようとするこの上ないお邪魔虫ですわ」

「それ、自分で言っちゃう?」

 エスカがドヤ顔を決めながら言うものだから、私はつい笑ってしまった。

「言っちゃいますわよ。それはおいておいても、私だって幸せにはなりたいですからね。それにしても、ベジタリウス王国のレッタス王子というのが気になりますわ」

 エスカは顎を抱え込みながらぶつぶつと言っている。確かに、聞いた事のない人物だからか、私だって気になってしまうというものだ。

 でも、私はフィレン王子とリブロ王子の婚約者。この二人のうちのどちらかと結婚というのが、現状決まっている将来なのだ。フィレン王子なら王妃、リブロ王子なら公爵夫人というのが、現在考えられる将来なのである。

「とりあえず、二人が登場するのは年末のはずですわよ。双子で年がアンマリアよりも一つ下ですもの」

「リブロ殿下やあなたと同い年ね。分かったわ」

 ウソかホントかはさておき、エスカが真剣に言ってくるので、私は頭の片隅にその話を置いておく事にした。そんな国があるのなら、今までに一度も聞いた事がないのはおかしな話だからだ。急に生えて出てくるなんて、どこのホラーよ。あとでサクラにでも確認しておきましょう。私たちは話を終えると、午後の合宿へと戻っていった。

 陽も傾いてきているので、もうそんなに時間は残っていないが、私たちはそれぞれに訓練を行っている。

「それにしても、アンマリア様」

「何かしら、ラム様」

「アンマリア様は剣術も得意でしたのね」

 そういえば、私が剣を振るっているのを見るのは初めてだっけか。

「ええ、殿下の婚約者として、せめて自分の身は自分で守れないとと思いまして、僭越ながらにこっそり稽古をしていましたの」

 はい、嘘です。ヒロイン補正によるチートです。体力づくり自体はしていたけれど、剣自体はそんなに振るった事はない。強いて言うなら前世で剣を振り回すゲームをしたくらいである。白いゲーム機とかね。

 そういった感じで談笑を交えながら、私たちは午後の訓練も終えて、宿舎へと戻っていく。

 その最中、私はサクラにそっと近づいた。

「少し失礼致します、サクラ様」

「なんだ、アンマリア様でしたか。脅かさないで下さい」

 木剣を振り抜かれたものの、私は落ち着いて躱してサクラに話し掛ける。いやあ、実にひやひやしたわ。

「サクラ様こそ、剣を振り回すなんてひどいですわ。せっかく声をお掛けしましたのに」

 私に言われて慌てて木剣を腰に戻すサクラ。

「こほん、本当にそれは失礼しました。しかし、一体私に用とは何なのでしょう」

 咳払いをして平静を装おうサクラ。しかし、私に手を上げた事で内心ものすごく動揺しているのが読み取れる。でも、今はそれどころではないわ。面倒な用事はさくっと済ませませんとね!

「実は、ベジタリウス王国の事についてお伺いしたいのです」

 突然の私の言葉に、サクラは驚きの表情を浮かべていた。

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