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伯爵令嬢アンマリアのダイエット大作戦  作者: 未羊
第三章 学園編

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102/122

第102話 誕プレって悩むんですよ

 さて、そんな初の魔法実演を終えたものの、その感動にも長く浸っていられなかった。

 なぜならフィレン王子の誕生日が目の前だったからだ。私は、贈ろうと思っていた剣を先に取り上げられてしまったために、改めて新しい誕生日プレゼントを贈ろうと考えていた。さすがに婚約者として手ぶらというのはあり得ない話だからだ。

 さすがに魔石剣の事でかなり怒られた私は、魔石を魔力加工するのはやめておいた。これ以上怒られるのはさすがに嫌なのだ。

 だったら何を作ろうかと悩んだ私は、収納魔法からトレント木材を取り出した。これで何かしらのアクセサリーを作ろうと思ったのだ。さすがに一国の王子ともなるといろいろな事が身の回りに起きる。そういった事から守ってくれるアクセサリーがいいだろうと考えたのが理由である。

 すると、部屋の扉がノックされる。一体誰が来たというのだろうか。

「はい、誰かしら」

「お姉様、私です、モモです」

 どうやら部屋をノックしたのはモモのようである。

「開いてるから入ってらっしゃい」

「分かりました。失礼します」

 私が返事をすると、モモが部屋の中に入ってきた。何か改まった態度をしているので、私は気になってしまった。

「一体、どうしたのかしら、モモ」

 気になるからには直接聞いてみる。私は椅子に座ったまま、モモの方へと振り向いた。

「いえ、私もフィレン殿下に何か贈り物をした方がよろしいかと思いまして……」

 モモはもじもじとしながら上目遣いで私を見てくる。何この可愛い生き物。

「そうね。でも、モモは特に何も用意しなくてもいいわよ。私は婚約者だから用意しなければならないと思うけれど、一令嬢であるなら、家族との共同で出せば問題ないと思うわ」

 困っているモモではあるけれど、私は甘やかすつもりはない。ここは一般論でモモに言い聞かせる事にする。

 しかしまぁ、このモモの行動にはちょっと不安を覚えるものだわ。これって、前世で読んだ小説や漫画でよく見た展開だもの。上目遣いで情に訴えてくる行動は、腹黒妹キャラによく見られる行動だものね。警戒しちゃうわ。うちのモモに限ってそんな事はないとは思いたいけれど、はてさてどうなのやら……。

 モモの目の前で、私は額に指先を当てながらため息を吐く。そして、

「モモ、婚約者ではないのだから、お父様やお母様と相談して贈り物を決めなさい。これは貴族としては常識よ。婚約者ではない殿方に個人的な贈り物をするのは、あらぬ疑いを掛けられましてよ」

 私は椅子から立ち上がって、モモの頭に手を乗せて優しく諭す。さすがに抱き締めるには私の体格がご立派過ぎるのでね。私のその言葉に、

「分かりました。お姉様がそこまで仰るのでしたら」

 モモは渋々諦めたようである。それにしても、態度を見る限り油断はできなさそうね。

 モモが私の部屋を出ていくと同時に、お茶菓子を持ったスーラが入れ替わりで入ってきた。その際にスーラにぶつかりそうになったので、モモは頭を下げてから走り去っていった。うん、ああいうところはいい子なんだけどね。うーん、何か引っかかるわね。

 私はモモの事がものすごく心配になってきた。なにせ今日の授業まではそういった感じをまったく見せなかったわけだもの。さっきの行動は本当に私の頭の中に引っ掛かってしまっている。婚約者も居るし、そのための努力だってしているもの。

「アンマリアお嬢様、どうかされましたか?」

「うーん、モモの事が気になってね」

「それはどういう事ですか?」

「あの子、フィレン殿下への誕生日プレゼントを贈ろうとしているのよ、個人で。私が個人としては止めるように伝えておいたから、思いとどまるだろうけど、どうにも引っ掛かるのよね」

「それは確かに、妙でございますね」

 スーラは私の意見に賛同してくれた。スーラの反応を見て、私はトレント木材を使ってとあるものを作る事を決めた。

「何をされているのですか?」

「内緒よ。今の段階ではスーラにも教えられないわ」

 私は唇に人差し指を立てて当てた。

 丸くした魔石を核として、その周りをトレント木材で囲み込む。そして、小さな穴を開けた状態でそれをテーブルに置いた。

「さて、うまくいくかしらね」

 私はエスカからもらったスマホを取り出して、魔力を流す。そして、同時にちょっとした改造を施した。しばらくすると、みるみるうちにスマホの画面に、テーブルの上の様子が映し出されたではないか。

『「お嬢様、これは一体?」』

 スーラの声が二重に聞こえる。なんと、スマホからもスーラの声が聞こえてきたのだった。

「やった、成功だわ」

 なんと、先程魔石を包み込んだトレント木材は隠しカメラとなってしまったのだった。

「これで、モモの様子を監視しましょう。踏み外そうっていうのなら、矯正するだけよ」

 悪い顔をして笑う不気味な私の姿が、そこにはあった。

 頼むから杞憂で済んでちょうだいね。そう願う私は、そのトレント木材を持ってモモの部屋へと早速足を運んだのであった。

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