外道たちの場合②
月子が去ったラブホテルの一室。
岡が戻ってくると全員が顔を合わせ、各々ベッドやソファーに腰掛ける。
「で、あのおっさんの件はどうするつもりなんだ?」
岡が尾形に問いかける。
「正直、金で解決するのは簡単です。ですが、天野月子に関してはかなり厄介なんですよ。」
「厄介ってなにがよ。」
尾形の回答に中野が食いつく。
「あいつ、他にも複数のオヤジたちから金もらってるみたいなんだよ。俺らに払うとは別で。」
「へえ、やるじゃん。姉とは違って売春の才能あるとかウケる。」
三田が皮肉を込めて笑う。
「じゃあ、あいつに金を渡してる他のおっさん共も今後同じようなことを起こしかねないってことか?」
大西が問いかけ、尾形は静かに首を縦に振る。
「だから、天野を含めて他の女たちにも客からの金銭の受け渡しは禁止にしつつ人目があるところまでは誰かがホテルから送っていくことに」
「なあ、尾形くんよお。」
これからの売春グループのプランを語り始める尾形の言葉を岡が強引に遮る。
尾形は自分の主張を止められたことに苛立ちながら岡を見ると、岡の表情にゾッとした。
邪悪、そのものだったから。
「天野、殺した方が早くね?」
全員が岡を見る。
「勝手なことしたのも天野、勝手にトラブルを招いたのも天野。なんで俺らが責任取る意味あんの?それに天野の親父とお袋は玲子の遺書を呼んでこっちの真相も知ってんだろ?それならまとめて殺して、俺らに嚙みついてるおっさんにもこれでチャラ、それ以上文句言うならお前も殺すぞって脅せばいいんだよ。実際、天野に金払ってることがバレたらやばいのはおっさんもそうだろ。」
しばらくの沈黙の後、中野が岡にキスをして呟く。
「それ最高じゃん。元々、目障りな奴らだったしここらで退場してもらお。」
「でもどうやって…。」
松井が青ざめながら言葉を発すると、岡がタバコを咥えライターに着火し火を灯す。
「ガソリン撒いて家ごと焼き殺す。」
タバコの先端に灯った火が赤黒く、白い煙を上げていた。




