君の残香をたどる
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「先輩ももう卒業か、」
「そうだねー、1年なんてあっという間だったけど、随分と色々あったよね。」
「……そうだな、」
本当に、色々あった所ではないだろう。俺にとっては色々ありすぎた。
そんなことを考えていると、いつかの生徒会長が卒業生代表で舞台に上がる。結局、人間観察部を潰すという生徒会長の思惑は叶わず、ついに卒業式まで来てしまった。
倉本先輩はと言うと、目立っていたので式中でもすぐに見つけることが出来た。
なんと、自分の卒業式だと言うのに爆睡していた。先輩はどこまで行っても先輩らしい。
「寂しくなるね……」
「そうだな。部室も静かになりそうだ。」
「うん………」
この1年のことを振り返っていると、式はあっという間に終わった。
佐藤さんや清さん、渡辺、先輩……そして、まな。高校2年の1年間にしては、随分と出会いと別れが多かった。だが、前みたいに悲しさは無い。
大抵の人は会おうと思えば会えるし、それにまなとは来世で結婚するんだ。焦る必要は無い。
「また遊びに来るよ。あと1年は君たちもいるしね」
「絶対に来てくださいね!」
「うん。ところで、人間観察部はどうするんだい?私が居なくなったら維持が難しくなるんじゃないかな」
これには苦労したものだ。なんせ先輩の影響力が強すぎたおかげで成り立っていた部活だ。先生を説得するのは大変だった。
「あー、それなら問題ないですよ。」
「……と言うと?」
「人間観察部は、名前は変わりますがちゃんと残ります。」
そこへ渡辺が割り込んで言う。
「その名も、ボードゲーム同好会です!」
その名前に先輩は頭をかきながら笑った。
「ははは、確かに理にかなった名前だね」
「そうでしょう、じゅんたくんが考えました」
「人間観察をちゃんとした記憶なんて、ないので」
この名前ならちゃんと新入部員も入ってくるだろう。ギリギリ同好会になるくらいには……
「………じゃあ、そろそろ行くとするよ。」
「……わかりました、、、絶対に遊びに来てくださいね!」
「気が向いたら来るよ」
先輩は手を振って、振り返ることなく歩いていった。
「行っちゃったね、」
「ああ、、、」
ほんとに最後までいい加減な人だ。半ば強引に部活にひきいれられたと思ったら、いなくなる時はあっけない。まあ、先輩らしいと言ったら先輩らしいのだが
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3年生になり、受験期に入ると、自分を含め周りのみんなは全員勉強漬けになった。もとから勉強が得意な方だった俺からするとあまり苦では無かったが、勉強が苦手な渡辺からするとかなりの苦痛らしく、よく勉強を教えてくれと頼ってくる。
そこに時々晃大も混ざって来て、勉強をする。というのが、ここ最近のルーティーンとなっている。
「さすがじゅんたくん!また教えてね!」
もう渡辺にまなの影を重ねることはしなくなった。最近はちゃんと渡辺を渡辺として見れている気がする。
そして何故かたまに可愛いなんて思ってしまうことがあるが………俺はまな一筋まな一筋まな一筋……よし
それに俺は笑顔で答えた。
「ああ、了解。そういえば、渡辺はどこの大学に行きたいんだ?」
「えー、秘密だよ」
このセリフ、どこかで聞いたことがあるような気がするが……まあいいか
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唯は苦心していた。そして、まなとの会話を思い出す。
「じゅんたのこと頼んだとは言ったけど、あいつは私一筋だからね!落とすのは相当大変だろうけど……まあ頑張れや」
本当に、どうやら一途なじゅんたくんの心をつかむのに、私はこれからも苦心しそうだ。
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高校生活最後の夏休みがやってきた。今年は遊び回ることが出来ないなんとも悲しい夏休みだ。
しかし、俺には習慣があった。去年まなが現れた場所へ、日時と時間を合わせて訪れることだ。
別に、まながまた現れてくれるかもしれないなどと考えている訳ではなく、
これはただ、今度こそ、約束を果たすためにしている事だ。絶対に絶対に忘れないように、ここに君がいて、俺と話して、そして霊としてまた現れた。その名残を巡る。
それが俺に確かに君がいたと言うことを伝えてくれる。
大人になっても、老人になっても俺は毎年そこを訪れて、君を思い出すだろう。どれだけ君の残り香がが薄くなろうとも、俺はそこへ行く。そして君との約束を思い出す。
忘れないように、絶対に約束を守るために、これからも、ずっとずっと俺は、、「君の残香をたどる」のであろう。
ご愛読ありがとうございました。
まさか最後まで読んでくれるとは、、、どうしでしたか?
なんか色々とあって投稿と投稿の間がかなり空いたりもしましたが、それでも読んでくれてありがとうございました。初作品ちゃんと完結させられて良かったです!
ブックマークと星もよろしく!




