未練
次の日、そのまた次の日も俺たちは同じように過ごした。
わかったことは、まなは2時に図書館の椅子に座ると出てくるという条件と、、、なんだか渡辺さんと先輩が気をつかっている。ということだ。
1日目の時、2人とも用事とか言って先に帰っていったし、その次もその次も、何かと理由をつけて先に帰り、1時間は俺とまなが絶対に二人きりになっている。
幼なじみに鈍感とか言われている俺でもさすがに気づくが、おそらく、俺とまなを二人きりにするようにしているのだろう。
まあ、当然と言えば当然だ。まなの未練を叶える、という名目こそあるが、俺たち二人の幼なじみという関係にとって、とくにまなにとってあの二人はイレギュラーでしかない。
多分だが、幼なじみどうしの空間にずっと入っているっていうのも図々しい。という結論に至ったのだろう。
そしてまた、今日も図書館前の集合場所へ向かう。
どうやら渡辺さんは遅れてくるらしい。だから今日は先輩と二人きりになった。
「先輩、気になってたことがあるんですけど。」
「なんだい?」
「俺たちって、まなを成仏させるためにこうして集まってるんですよね?」
「そうだね。」
「じゃあ、そのリュックの中から顔を出しているゲーム機はいったいなんなんですか?」
その瞬間、先輩はササッとそれを隠した。
「えーと、、、なんだろうね?」
「なんだろうね?じゃないですよ!」
ずっと言いたかったことを言ってしまった。とてもスッキリした気分である。
先輩は少し間を置いてから話し始めた。
「まあまあ、そう焦らなくても大丈夫だよ。それに、私はもう彼女の未練が何なのかわかったからね。」
「わかったからねって…………わかったんですか?!!」
「ああ、だいぶ前にね、」
「それは一体なんなんですか?」
「それはね」
「それは?」
まなの未練、できることならどんな事でも叶えたい。それが俺の今の生きる理由だ。
「教えてあげない。」
思わずグーが出そうだった。
「なんでですか!」
「んー、真面目な話をするとね、これは君が気づくべき事だと思ったんだ。いや、もう君は心の底ではすでに気づいているんじゃないかな?それに、彼女の未練は今のままでも、このまま行けばちゃんと叶うよ。あと少したったらね。」
「本当ですか?」
「ああ、本当だとも。私が断言しよう。焦る必要は無いよ。」
先輩がここまで言っているんだ。俺は信じることにした。
その日も先輩はずっとゲームしかしていなかったわけだが………
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次の日、いつものように図書館に向かう準備をしている時。何やらガサゴソと物音が聞こえてきた。
不審に思い、音のした方を向く。そして、そこにあったものに俺は目を丸くした。
「えっと、じゅんた。私さっきまで図書館にいたよね?」
「は?」
今度は俺の部屋にまなが現れていた。




