失格
「ま、な?」
「え?じゅんた、私なんでここに……」
何故か久しぶりという感覚は無かった。いつもそばにいるのが当たり前で、ずっと一緒だった人。ここで一緒に勉強していたのがつい最近のように感じる。
鮮明に思い出される10年あまりの記憶。彼女との思い出が走馬灯のように思い起こされ、その情景が鮮明に頭の中に浮かんだ。
「ほんとに、まななのか?」
「え?何言ってんの?私は紛れもなく佐々木真奈だよ?」
次の瞬間には俺は向かいの椅子に現れたまなに身を乗り出して抱きついていた。
「え?え?じゅ、じゅんた。いきなりどうしたの?」
「ごめん。」
「え?」
あふれ出た言葉、何とか声を振り絞り、喋ろうとする。しかし、俺の口から出たのはその言葉だけだった。
「ごめん、ごめん。」
ずっとずっとずっと、謝りたかった。俺はなんて身勝手なんだろう。ただただ、謝ることしか俺にはできない。それしか俺には資格がない。
「じゅんた、なんで泣いてるの?」
溢れ出る気持ちを我慢することは出来なかった。
「ごめん、まな。俺、、、、」
「ちょっと1回落ち着こ、ね?」
まなは昔の記憶と変わらない綺麗な笑顔で俺に笑いかけた。
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「少しは落ち着いた?」
「ああ……」
「それでさ、説明してもらってもいいかな?何があったの?」
「…………」
これは俺の問題だ。これが言えないのは俺がまだまなの死を受け入れられていないのと、それと、まなの反応が怖いからだ。そう、ただの臆病者の姿がここにあった。
「私、絶対驚かないから。教えて?ね?」
「……えっと、」
俺は満を持して切り出すことにした。詰まっていた声を絞り出したが、小さい声しか出ない。
「お前、もう死んだんだ。」
「………………………そっか、」
まなは少し黙ったあと、無理やりトーンを上げたような声で喋りだした。
「死んじゃったかー、そりゃそうだよね。トラック結構速かったもん。」
「……ごめん。俺のせいだ。」
まなの声は少し震えていた。
「そんなことないよ、あれは私が行動した結果だし、じゅんたが無事で良かったよ。」
「でも……」
「いいんだよ、、、本当に後悔はしてないから。」
「……」
思えばまなとこんなに気まずい空気になったのは初めてのことだ。どうも落ち着かない。
「ていうかさ、まなって呼んでくれたのすごい久しぶりじゃない?」
「そうかな?」
「うん!ずっとお前呼びだったじゃん。」
「…………そうだったな。」
俺が気まずそうにしていたのを見かねて話題を降ってくれたのだろうか。なんとなく緊張が解けたような気がする。
するとまなは少し真剣な顔をして言った。
「ところでさ、じゃあ私今なんでここにいるの?」
「あー、えっと……霊って知ってるか?」
「うん、聞いたことはあるけど………」
そういえば、まなの未練はなんなのだろうか。 検討もつかない。ずっといっしょにいたのに、分からないことの方が多い。これは、幼なじみ失格かな。
「お前、霊になったんだよ。」




