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会いたい。

 ここ最近の自分はおかしい。前まで園田くんと話すのなんて普通にできたことだと言うのに、今では目を合わせることすら危うい。妙にこそばゆくなるのだ。


(どうしちゃったんだろう、私。)


 ぼーと考えているとお母さんが話しかけてきた。


「そういえば清おじさん、日曜日にここに寄っていくそうよ。」


 日曜日?月曜日はどこか行くのだろうか。


「へー、泊まっていくの?」


「うーん、気分屋だからねー。分からないな。」


「そうなんだ……」


 清おじさんには残って貰わないと困る。何とかして説得する必要がありそうだ。


 日曜日。


 ピンポーンと家のインターホンが鳴った。清おじさんが来たようだ。


「や、久しぶりだね。唯ちゃん。」


 清おじさんはアラフィフとは思えないほど若々しくて背が高かった。そして何となくオーラがあった。


「お久しぶりです。」


「大きくなったねー。」


 大人の余裕というものをひしひしと感じてなんだか縮こまってしまう。


「あら、清じゃない。早かったわね。なんかだか背伸びた?」


「はは、もうこの歳じゃ伸びないよ。姉さんも変わりがないようで安心したよ。」


「まあまあ上がって、こんなところに立ってないで。」


「そうだね、そうさせてもらうよ。」


 久しぶりに弟に会ってお母さんも嬉しいようだ。いつもより妙にテンションが高い気がする。

 というか、私が清おじさんと話す隙なんてあるのだろうか。先が思いやられる。


 案の定、お母さんと清おじさんは随分と話し込んでいる。


「はぁ、どうしよう。」


 こういう時はスマホでも見て心を落ち着かせるとが1番だ。スマホに目を落とししばらくいじっていると、園田くんに報告しようと思い立った。


あらかた状況を書き込むと送信ボタンを押した。


「唯ー、ご飯にするよ。」


リビングからお母さんの声が聞こえた。今日の夕ご飯はいつもよりなんだか豪華な気がする。


「夕飯まで貰っちゃって良かったの?」


「いいのいいの、いつもは2人しかいないんだから賑やかになっていいわよ。」


お父さんは今海外に出張に行っている。あと1年くらいで帰って来る予定だ。


「清おじさんは今日泊まっていくの?」


「いやー流石に泊まるのは悪い気がするな。」


申し訳なさそうな顔をしている清おじさんにお母さんは言った。


「でもあんた今日泊まるホテルあんの?」


「まだ見つけてないけど……」


「じゃあ泊まってきなよ、ホテル代も浮くでしょ?」


清おじさんは少し考えてから言った。


「じゃあ、お言葉に甘えようかな。」


泊まっていくことに決めたようだ。

お母さんがお風呂に入っている間、例のことについて聞話してみることにした。


「あのさ、清おじさん。」


「ん?なに?」


「学生時代に小説書いてたってほんと?」


「おお、よく知ってるね。姉さんに聞いたの?」


「うん、それでさ…佐藤千代って覚えてる?」


これを聞いた時、清おじさんはとても驚いたようで、いつもの落ち着きを失っているようだった。


「どうして、君がその名前を?」


「佐藤さんから聞いたの。」


「千代からって...どういうこと?」


唯は千代が霊になって学校の図書室に現れたことを清おじさんに伝えた。


「千代が……霊に?」


「うん、そこでさ、ひとつお願いがあるんだけど」


「お願いって?」


「学校に行って佐藤さんと会って欲しいの。」


清おじさんはこれを聞いてかなり動揺したようだ。


「僕が?なんで……」


「清おじさんじゃないとダメなの。」


「だって僕は彼女に……それに彼女は、」


かなり考え込んでいる様子だ。これは本人の口から話した方がいいと思っていたが、この際仕方ない。

佐藤さんの病気のこと、高校生で死んでしまったこと、途中から学校に来れなくなってしまったことを言った。


「病、気?あの千代が?いつも元気で、明るくて……あの千代がもう生きていないって、え?つまり、だから来なくなったのか?」


「とにかく、佐藤さんはあなたと会いたがってる。だから、会ってあげてくれませんか?」


「…………わかった。」


清は拳を握りしめた。









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