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③冬とムーとムー一家
【キツネのムー】(3)
(③冬とムーとムー一家)
寒々とした冬の雪道の中、キツネのムーはお父さんとお母さんと妹のティーリと一緒に歩いていました。ティーリはお兄ちゃんっ子で、ムーが大好きです。
「お兄ちゃん、かくれんぼしよー?」
でも、お兄ちゃんのムーは言いました。
「ダメダメ。こんなに雪があったら、見つからないよ。ティーリ、はぐれちゃだめだからね?」
それを聞いた、ティーリは、むう。っと膨れっ面です。しぶしぶ、ムーお兄ちゃんのあとをついてゆきます。
「お兄ちゃん、もしもね、ティーリが『にんげん』だったらお兄ちゃんとおてて、繋ぎたいなあ」
ああ、ティーリはあの時の『にんげん』を見かけたときのことを覚えていたんだな、とムーは思いました。
(続く!)