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寿命と旅
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ある田舎の病院に入院しているおばあさんの元に旦那であるおじいさんが尋ねてくる。
おばあさんは重度の認知症でありおじいさんのことをこれっぽっちも覚えていないがおじいさんはきっといつかおばあさんが自分のことを思い出してくれると信じ何度も何度も病院に行っては
「あなたは誰ですか?」
「自分はあなたの旦那だ。」
同じ会話を繰り返していた。
ある日担当の医者に言われた。
「奥さんはもう、長くは無いかも知れません。」
医者が言った余命は残り1週間。どうしてもまたおばあさんの笑顔と自分の名前を呼ぶ声が聞きたいおじいさんはおばあさんとの思い出の場所を巡って写真を撮り日記を書いた。が、何かが足りない。
「そうだ。本を書こう。」
タイムリミットが迫る中おじいさんは重い瞼を無理やり開けて物語書く。書く内容は旅のこと、おばあさんとの思い出、現地での出会い、そして自分の思い。
余命宣告の日から6日後、おじいさんはおばあさんにその物語を読み聞かせる。
もし生まれ変わったなら、もう一度あなたとの恋がしたい。っていうお話
特になし