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140字小説
カンテラの灯りがゆらゆらと今にも消えそうだ。東の空は暗い。足元がやっとの炎が仄かに侘しくて持つ手をなるべく遠くへとやる。持たない方の手を握ったが感覚はあっても見えない。そろそろ失うとなって初めて隣のその手を取った。
消える。
けれど手の温もりは確かだから、きっと僕達はあるんだろう。
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融ける。
物理的に何か物体がちゃぷちゃぷになるんじゃなくて。
解ける。
君が仕掛けた謎のような問いかけが一から十まで分かった訳じゃないけれど。
溶ける。
遠いと思っていたけど意外と近くもあってだから段々と違いを認めながらもきっと。
混ざる。
違う所はあるまんまで、似た部分はごっつんこ。
Twitterで募集のあったコンテストへ、三作品までって忘れて書いた一作と、文字数を足すために生まれた詩のような作品です。
いつもの私のテイストとちょっと違うと感じていただけたら、大成功、かな?




