7.リンス?
済みません。今回は下品ネタが入ります。
それから数分後、一通りカツミが身体を洗い終えた。
「ぬるま湯で身体を流したい。出て!」
すると、頭上から、まさに豪雨の如くぬるま湯が降って来た。
四十二度よりもやや低めだ。
これで身体中の泡を洗い流す。
「あと、一応、髪も洗いたいんだけど」
「じゃあ、シャンプーとリンスも出せば?」
「でも、容器がプラじゃない?」
「だったら、中身だけ一回分出すとか出来ないかな?」
「なるほど。ちょっとチャレンジしてみる。私が以前使っていたシャンプー……」
カツミは、地球時代に使っていたシャンプーをイメージした。
それも、容器ごとではなく、自分の掌の上に出した状態のモノでのイメージだ。
「お願い、出て!」
すると、カツミの掌の上にシャンプーの原液が現れた。
これなら、ボディソープも出せていたかも知れない。
ボディソープが出せるかの検証は後回し。
カツミは、このシャンプーを使って洗髪した。
洗髪後、再び便利な生活魔法でお湯を頭からかぶり、シャンプーを洗い流した。
続いてカツミは、自分の掌の上にリンスを出す。
「お願い、出て!」
これも容器ごとではなく、掌の上に一回使用分の原液を出した。
そして、これをカツミは頭皮に極力つかないよう、髪の表面だけに付けると、その後、さっさと洗い流した。
この様子を見て、ツカサが言った。
「リンスが頭全体に、しっかり行き渡るように時間をかけた方がイイんじゃい?」
「えっ? だってリンスは、頭皮に付けると毛穴を塞ぐって言うじゃない?」
「そうなの?」
「そもそもリンスは髪の表面にすぐに吸着するから、時間をかけても意味ないのよ。それに、流し切れなかったリンスが毛穴に残ると雑菌が繁殖することもあるらしいし。だから、リンスを付けた後は、しっかり洗い流すことも必要らしいわよ」
「知らなかった」
「だから、こっちの世界に来る直前は、ちょっと薄くなりかけていたんじゃない?」
「……(否定できない)」
転生前のツカサは、その辺は何も考えていなかった。
それ以前に、研究Loveの研究一直線だったので、研究以外のことなど、何も考えていないに等しかった。
「じゃあ、ツカサが髪を洗う時は、私がやるから。毛が抜けても困るし」
「そうしてもらえると助かるな。ただ、カツミがリンスしているのを見て、変な話を思い出してさ。友達の友達の話なんだけど」
「それって、ツカサ本人の話じゃないわよね? 友達の友達って、ツカサ自身も何気に入るから」
「違うって。ボクとは違う男の話」
「それで、どんな話?」
「それがさ。風呂で身体を洗った後に、浴槽の外でだけど、椅子に座ったままオ〇ニーして、掌の上にイっちゃったらしくて……」
カツミは、当然だが、
『いきなり、何話してんだ、コイツ!』
と思った。
しかし、興味がゼロと言うわけではない。
一方のツカサは、相手の姿が前世の若かりし頃の自分のため、男友達に話をしている感じに思えていた。
今のカツミを、『中身は女性』として見ていなかったのだ。
それで、こんなアホなシモネタを口にしてしまった。
「何よ、それ。いきなり変な話して」
「ゴメンゴメン。たださ、ソイツが掌にイった丁度その時に、お風呂場のドアが開いて母親が立っていたらしい」
「うわ、最悪。現場見られちゃったの?」
「それは分からないけど、ただ、掌のモノを誤魔化すために、ソイツ、それを頭に塗りながら、『今リンスしてんだ』って言ったらしい」
「……」
余りのヒドさに、カツミは絶句した。
「ただ、そいつの母親が、『リンス切れてなかった? 新しいの持って来たけど』って言ってリンスを渡してくれたらしい」
「……」
カツミの沈黙が続いた。
ただ、ツカサも、その後、その男子がどうやって状況を誤魔化したかについては聞かされていなかった。
「その後は?」
「僕も、そこまでしか知らない」
「そう。ちなみに、私が使ってるのは、ちゃんとしたリンスだからね」
「分かってる」
「それじゃ、ツカサ。身体を洗う前に、先に髪を洗おう。私がやるから」
「ああ、頼む」
ツカサが湯船から出た。
そして、カツミはツカサの髪を浴槽のお湯で流した後、物質創製魔法で、さっきと同様にシャンプーを出し、ツカサの髪を洗った。
続いて、魔法でぬるま湯を頭上から降らせてシャンプーを洗い流し、今度は掌に魔法でリンスを出した。
「これも、ちゃんとしたリンスだからね」
「分かってる」
「そもそも、そんなモノを自分の髪に塗るわけないから」
「ボクも、そんな趣味は無いから」
カツミは、ツカサの髪に、ささっとリンスを塗ると、物質創製魔法でぬるま湯を発生させてツカサに頭からかけた。




