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06・酒とスキルの検証2

名前:バース

状態:ほろ酔い、状態異常[魔薬/多幸感/後一時間]

体力:S

魔力:B+

筋力:A+

耐久力:B

俊敏力:B

魔法耐久力:C

適正属性:火、風

スキル

・剣術

・棒術

・槍術

・気配察知

・限界突破

・詠唱短縮

・千里眼

・耐性[毒][麻痺][呪い]

・思考加速

・ダメージ鈍化



 無事に効果は発動したようだ。先程までは無かった効果が出ている。というよりも魔薬は状態異常になるのか。いや、別に可笑しくはないのか?多幸感だって薬で起きている事だ。人体の活動でき起きたわけではないのだから。


「ん? なんか幸せな気分になって来たな」

「それは嬉しいな。私との酒はそれだけ美味しいと感じてくれているという事ではないか」

「そう言う事になるのか?」


 バースは少し不思議そうにしているが私はそれで押し通す。それにしても状態とおおよその効果時間も表示されるのか。これは有難いな。細かな時間さえ分かれば効果的な運用が出来るだろう。これは思わぬ収穫だったな。

 さて、スキルの検証は一旦置いて置きバースおすすめのつまみを食すとしよう。運ばれてきたのはタレが付いた焼き鳥と貝と思われるものの塩焼きだ。他には口直しの為の小さなサラダがある。中々に豪華だ。


「どれ、先ずは一口……」


 最初に食べるのはサラダだ。小さい頃から親に「最初に食べるのは野菜から!」と言われ続けたせいであるなら最初に食べないと落ち着かなくなってしまった。レタスの様な葉野菜は新鮮さを残しており噛むたびにシャキシャキとした噛み応えとみずみずしさが口の中に広がっていく。それにドレッシングらしき濃い目のソースがみずみずしさ以外では味のしないサラダに味を付けている。

 決して主役にはなりえないが口直しには最適であると同時に野菜を食べるという行為は健康に近づいていると言える。葉野菜のほかに玉ねぎをスライスした物もあり葉野菜以外の食感も楽しめる。半分ほど食べ終えると次はメインディッシュの一つ、焼き鳥をいただく。串に刺された鶏肉はタレに付けられたことで光沢を出している。甘さとしょっぱさが融合したタレは火にあぶられた事でその匂いを周囲へと拡散させている。においだけで分かる。これは美味しい料理だと。串を持ち、半分ほどを一気に口に入れる。


「……これは!」


 口に含むだけで広がる肉のうまみとタレの味。そして口を閉じ肉を串から外し咀嚼する。柔らかい鶏肉のうま味とタレが見事な共演を果たし口の中で上手いという感情を生み出している。一回、二回と噛む事で上手いという気持ちは次々と生み出され顎の付け根の部分が痛くなる。美味しい物を食べた時に唾液が急激に分泌されるかららしい。つまりこの料理はとても美味しいという事だ。

 串にさされた肉を頬張るべく肉にかぶりつきそのまま串から外す。多少口の端にタレがつくがそんな事は気にしない。今度はゆっくりと噛みしめて味わう。とは言え何時までも口に含んでいる訳にはいかない。名残惜しく感じつつも口の奥へと飲み込む。それと同時にエールを飲み込む。タレとは違った甘さが口に広がり焼き鳥の味を洗い流していく。それと同時に頬が熱くなっていきほろ酔い状態となる。

 エールを飲んだ後はサラダを食べて口直しをする。やはりこのサラダは口に残ったタレの味を完全になくして次に食べる料理の味に専念できるようにしてくれる。野菜が嫌いという人、特に子供で多かったが実に損していると言える。ぜひとも野菜のおいしさに気付いてほしいと思ったものだ。この異世界に来た以上そう思う事も無意味となってしまうのだろうか……。

 そんな感傷に浸りつつもう一つのメインディッシュに目を向ける。申し訳程度に開いた貝の中には中身が詰まっている。人差し指と親指で円を作った時の大きさと貝の大きさは同じだが具はその半分ほどしかない。それでもうまい事に違いはないと思い貝を手に取るとスプーンで刺し取り出して口に含む。アサリの様な……、これは酒蒸しに近いのだろうか?なんとも言えぬ味わいが口に広がるが決して美味しくないわけではない。むしろ美味と言える料理だ。砂の味がしないということから下処理は完璧と言える程に仕上げられているのだろう。安心して口に運び咀嚼できる。これで砂の感触があれば味は半減していただろう。


「上手いな。どれも。バース、お前も……」

「はー……」


 見ればバースは惚けていた。どうやら多幸感が強すぎたようだ。なれるか一時間経って効果がなくなるまでこの調子という事だろうか?それはそれでメンドクサイ事になりそうだが仕方ないか。別に廃人になったり依存したりするわけではないのだ。とは言えバースには私と飲むたびに多幸感を感じるようにして好印象になるようにするのもありかもしれないな。いざという時に役にたちそうだし。

 そうしていると日は沈み店の中も混んでくるようになった。その頃にはバースも回復し料理や酒を味わいながら店の中身を見ていると私のお眼鏡にかなう女性が現れた。


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