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02・特典はテンプレとは言えない物

 さて、そんな訳で始まりました私の第二の人生。場所は私を追いかけるヤクザなんていない異世界。既に最初のスタートダッシュを決めて街に来ております。人口はそれなり、地方都市と言える程度の街だが壁に囲まれ中央には領主の館らしき建造物が建つ、日本で言えば仙台の下位互換的な街だ。

 そんな街だ。入るときには税を取られたがそこは先に並んでいた不用心な商人らしいおっさんからくすねた金を使った。金銀銅を貨幣にしたらしいもので賄賂感覚で税を取っている騎士っぽい男に金貨を握らせたが握らせる前のめんどくさそうな雰囲気と表情は消えて超高待遇で入る事が出来た。見た感じそこまで裕福とは言えない感じで金貨がどれだけ値打ちがあるのか大まかにだが判明したな。

 街に入った後は宿を探し一泊取る事にした。銅貨三枚という安いのか高いのか分からない感じの値段だが隣の部屋に併設されている食堂らしき者や受付をしたロビーの様な場所でくつろぐ者を見る限り中層より下の連中が好んで止まる宿のようだ。つまり銅貨三枚は安いという事だろう。

 俺は早速部屋に入り粗末なベッドに横になる。スーツが皺になるがそこは割り切って体を預ける。ギシギシどころかメキメキという音すら上げるベッドに不安になるが別にいいか。安心して寝られるだけ儲けものだ。

 そう言えば老人から貰った特典を確認していなかったな。俺の言葉通りの特典ならいいのだが……。それを確認するには先ずは……。


「”ステータス”」


 俺の言葉に反応し俺の情報が目の前に表示される。ステータス。まさに異世界にありがちなものだ。これは基本的に本人しか確認できず他の見るには魔道具や『鑑定』と呼ばれるスキルで見る必要があるらしい。そして俺のステータスは以下の通りだ。


名前:マサル・ヤクマ

状態:健康

体力:A+

魔力:SS

筋力:A

耐久力:B-

俊敏力:B-

魔法耐久力:SS

適正属性:火、水、風、土、闇、光、無

スキル

・魔薬調合

・魔薬注入

・魔薬散布

・完全耐性[魔薬][毒]

・異次元収納

・千里眼

・鑑定

・ステータス隠ぺい


 魔薬。俺が頼んだ特典は「麻薬や覚醒剤などを自由に調合したい。具体的には知識なくても思い通りの物が出来る感じで」と言ったからあながち間違ってはいないか。それ以外は……、魔力に関する事がとんでもない事になっているな。というかこの数値はどの程度なんだ?全然分からない。


【新着メッセージ:1】


 ん?なんだこれ?画面の端にあるが……。メッセージ?取り敢えず開いてみるか。


【これを読めたという事は無事に転生してステータスを開けたようじゃな。特典を選んでもらった際には伝えていなかったこの世界に関する事を大雑把に説明するぞい。詳しい事は自分で調べると言い

 まず、この世界は人間、亜人、魔人と呼ばれる三つの種族がおる。人間は人間、エルフ、ドワーフが分類され亜人は獣人や魚人など人間の姿をしていながら他の動物の特徴がある種族じゃ。魔人は吸血鬼やゴブリン、オーク、オーガなどの人間とも言えない異形の存在と真っ赤な瞳を持つ種族の事じゃ。そして、人間は複数の国が乱立しており一方で魔人は魔王という存在を中心に一つにまとまりつつある。獣人は両者の奴隷として生きておるのが一般的じゃが偶に秘境と言えるような場所で細々と暮らしていたりする。

 それと貨幣についてじゃが人間が使っているものは共通の貨幣じゃ。最近じゃ魔人達でも使われるようになったらしいぞ。貨幣は金銀銅貨を中心に白金貨と小銅貨がある。小銅貨100枚で銅貨、銅貨10枚で銀貨、銀貨100枚で金貨、金貨10枚で白金貨じゃ。銅貨は一枚1000円と思ってもらえれば分かりやすいかの?とは言えそちらは国や地方で貨幣の価値が違って居る。金貨10枚もあれば一生暮らせるようなところから白金貨がいくつあっても足りないというところもあるからの。後、お主には直接渡すのを忘れていたのでな。このメッセージ読了後に近くに貨幣を詰めた小袋を出すぞ。大体金貨三枚と銀貨10枚、銅貨と小銅貨をたくさん入れておくぞい。

 次にステータスの数字についてじゃ。ステータスはE、D、C、B-、B、B+、A-、A、A+、S、SS、SSSがある。Bの数値が一般的な人間の数値じゃな。Sを超えれば人間を超えると言われる程高い数値となる。SSの領域は人間では出せないとまで言われておるがそなたには魔法に関して上げられるだけ数値を上げて置いたぞ。魔法に関しては火、水、風、土、闇、光の属性がある。適正が無い者ではその属性の魔法を一生使う事は出来ない。まぁ、お主には関係ない話じゃ。そして、肝心の魔法は使用者が自分で考えて作ってくれ。考えるのが面倒という物向けの本もあったりするが自分で作れる者は自分で作っておる。誰もが出来る魔法はそれだけ避けたり防ぐことが出来やすいという事じゃからな。

 そして最後にスキルに関してじゃがこれはお主に与えたスキルを除き決まった物以外は無いし新たに作られるものではない。故にスキルを手に入れる為に必要な行動を取ればおのずと手に入る。そうすればその動きはより一層洗練されるのじゃ。因みにレベル制はないが熟練度でさらに洗練されるから頑張って熟練度を上げるといいぞい。

 そんな訳でお主へ伝えるべき事は以上じゃ。転生させるときにも言うたがお主はおぬしの好きに過ごしてくれて構わないぞ。勇者に慣れなどの目標を定めはせん。例えその世界を滅ぼそうとわしは干渉せんからな。そう言う訳じゃ。第二の人生を満足のいくまで過ごしてくれたまえ】


 長々と、こんな事が書かれていた。どうやら老人は転生後のアフターサービスもしてくれたようだ。そう思うと同時にガチャという音と共に小袋が出現した。持ってみれば大分重く中には貨幣がぎっしり入っていた。これだけあれば当分働かなくても食っていけるな。

 というかやはりテンプレ異世界なら冒険者ギルドに登録するのが良いのかもしれないな。早速向かってみるか。


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