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01・転生

最初なので二話を午後六時に投稿します

 別名ナーロッパとも言われる剣と魔法の王道異世界。ギルドと言えば冒険者ギルド。中世というよりも近世の世界観。そして何より複数の神が普通にいるという歴史を知る者からすれば何を持って”中世ヨーロッパ”なのかを問い詰めたくなる世界。歴史に糞を塗りつけ喧嘩を売っている様なものだ。

 とは言えそんな世界も捨てたものではない。大体下水道は発展し町は清潔に保たれているし現実世界には存在しない魔物との戦いや魔法と言った存在は興奮させるだろう。転生した先に不安があったとしてもそこは転生者によくある特典というチート能力が解決してくれる。特典を駆使し時には魔王を倒し勇者に、時には国に取り入り内政チートを行い、時にはスローライフと言いつつ世界の危機にたちむかったりするだろう。

 なぜ、こんな話をしているのか?それは異世界ものを一度でも読んだことがあれば分かるだろう。私もその異世界転生をしたからである。いや、この場合転移という方が正しいだろう。私の姿は死ぬ間際の物だし特に性別が変わっているわけでもない。大事な息子はあるし問題ない。

 服装も少し洒落たスーツを着こなしているし細かい作業も簡単に行えるグローブも装備済みだ。変わった点はやはり先ほど”神様”を名乗る老人よりいただいた特典のみだ。まさにテンプレ異世界転生……あ、転移だな。

 周囲の風景は日本ではお目にかかるには難しそうなどこまでも続く野原。と私の前にある整えられた土の道だ。魔物どころか動物すらいない。プロローグでいきなり戦闘という事態には陥らずに済むようだ。

 そんな訳で、私は死を経験し神を名乗る老人から転生させてもらいこうして異世界に来ているわけだ。これでヤクザ(・・・)に追われる心配はなくなるだろう。彼らとて死人が転生したと思って後を追いかけてくる程ではあるまい。これで5年(・・)に渡る逃亡生活ともおさらばできたわけだ。

 ……おっと、自己紹介がまだだったな。私は矢熊大(やくま まさる)。ヤクザにちょっかいをかけて追いかけまわされた挙句にビルの屋上から隣のビルの屋上へのダイブを失敗し落下死した30歳だ。自分で言うのもあれだが犯罪予備軍というのだろう。それとヤクザに追われるきっかけは話したくはないな。誰だって後頭部を見て「親父! こんな(パチンコ店)で何遊んでんだ!」と光輝く頭に墨汁を流したら別人だったうえにヤクザの幹部だったなんて話はいいたくないものさ。……おっと、言いたくなかったのに結局全部話してしまったな。

 まぁ、そんな訳で私はヤクザから解放されて漸く自由となったのだ!シャバの空気は最高だぜ!服役してないうえにここは異世界だが細かい事はどうでもいいだろう。これから俺の第二の人生はスタートするのだから!


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