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9.未熟
「くそぅ……」
けんごの背中に必死でしがみつきながら呻く。人生でこんな屈辱的なことはない。
周囲の風景はまさに飛ぶように流れていく。というよりけんごがときどき飛んでいるような気がする。
結局大した説明もなくけんごの背中に担がれたので、どこに向かっているのかも分からない。
激しく流れていく景色の中でも、遠く太陽だけは静かにそこに止まっている。そして今傾き始めたそれが、あたりを赤く染めていく。
何故か全身の筋肉が強張っていく。同時に微かな眩暈。
目を閉じないと。
そう思った。けれどまぶたが降ろせない。
目の前の風景から目を逸らすことができない。
頭痛がする。四肢の感覚が希薄だ。けんごはここにいるのか?
ぼくはいまどこにいる?
赤い。
全てが赤い。
この感覚は初めてじゃない。
何かが掴める。大切なことが見える。そんな気がする。
激しい頭痛。
もう少し。もう少しでいい。
裏腹に歪み始める視界。世界。
次第に黒く塗りつぶされていく。
ダメ、だったか。
GAME OVER




