例えばこんな、第三者
初心者 投稿2回目
こんな人や会社があってもいいと思います。
何も知らないけど、降ってきたので書きました。
転職して、初めて担当したのは学習能力の高いAIの開発。
ご丁寧にも、ノウハウも無しに開発して欲しい、と言う社長の言伝て付きだ。
例え、
無理だ。
出来る訳がない。
と、チームだった同年代の仲間に散々言われ続け、
こんなの、終わるわけ無いです‼
と、同じチームの若者からの悲鳴を聞かされ続けても、
ここで踏ん張らないと我々に未来はない
と、こだわりを持って作り続けたこの5年。
漸く完成にこぎつけた、プロトタイプ《私達の子供》。
その子が陽の目を見たのは、割と直ぐだった。
この会社初のVRMMOを造り上げる。そのシステムの基礎がこの子。私達は、このゲームのシステムエンジニアとしてプロジェクトにそのまま組み込まれた。
その集大成ともいえるゲームが今日、ベータテストを終える。
「これで一段落着くか…長かったな。」
今、目の前のパソコンの画面には2つの映像が映っている。
一つは、始まりの街に集まったプレイヤーが住人達《NPC》を巻き込んでお祭りをしている光景。
これは此方《運営》が企画したのではなく、プレイヤー達が自主的に企画したものだ。皆、思い思いに楽しんでいる。
もう一つには、火山エリアで帝龍と戦闘中であり、私が個人的に注目しているプレイヤーの光景。
此方は戦闘の頭から録画している。
後でチームの初期メンバー達に披露する予定だ。
何せ、開発したプロトタイプを今回の中で最も成長させたプレイヤーなのだから。
***
「さて、頃合いかな。」
サービス終了の40分前、プレイヤー達の宴が最高潮の時。私は"ソレ"をアナウンスとして全プレイヤーに通達した。
勿論、戦闘中の彼にも届いた筈だ。が、見る余裕は無いだろうね。
さて、私の仕事の大部分は終わった。あとはこのサーバーを一旦閉鎖する作業が残っているだけだな。
これだけは別の部屋で行わなければいけないので続きが見れないのが残念だ。
***
『…お前達と一緒に旅をしよう。』
強制ログアウトのカウントダウンが始まったタイミングでそんな声が聴こえた。
ソコまで言ってくれるプレイヤーがいる。
その事実だけで、これから始まる修正作業の嵐を乗り切れそうな気がした。
いかがでしたでしょうか?
第三者視点。
といっても想像で書いたので、現実とだいぶ違う部分があります。絶対。
楽しんでいただければ幸いです。
裏話
実は普段の行動パターンから逸脱した(友好度MAX状態の)AI達は”例えば、こんな~”のプレイヤーのモンスターズと炎龍帝、彼と接した一部のNPCだけ、という設定だったりします。