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 振り向かずに息を整える。吸うことよりも吐くことを念頭に、ゆっくり息を吸い込み限界まで吐き出す。それをもう一度繰り返して地面を蹴って走り出した。

 なにが来ているのかはわからない。わかったところでどうしようもない。とにかくひよこを追いかけて脱出の方法を見つけて、地上へ脱出したあとに今回の解決の糸口を見つけ出す。まだだ、まだ時間じゃない。反撃ができるまでもう少しかかる。それまでは悔しいけれどこうやって逃げ延びることしかできない。

 後ろの足音は今は聞こえてこない。自分の足音くらいしか聞き取れないのだ。それでも足は止めない。止まったらどうなることかわかったもんじゃない。


 とにかく足を動かして、ポケットに入っているリスがおちていないか時折確認をする。やがて暗闇の中に見えてくる小さな光を目標にしていればその中で黒い小さな影が飛んでいた。


 「ピ!ピチチ…!」


 おいついた、と瞬間安堵に息を吐いた。


「先は見えてる。こっち来い」


 言えばひよこは器用に走った俺の首につかまりそのまま滑り落ちるように胸ポケットへ忍び込んだ。若干胸ポケットが膨らんだがまだ大丈夫だ。もう入らないけれどまだいける。

 

 光はすぐに大きくなり、やがてそれは日の差し込む森になった。脱出の文字が頭に浮かぶが、そんなことを考えている余裕はもうあまり残されていない。とにかく胸ポケットに押し込まれている奴らの仲間を探さなきゃならないのだ。


 太陽は未だ真上を指し示さない。あともう少しなのにと少し歯がゆく思うがこればっかりは仕方がないのだ。現時点で考えられる最善の手を打った。あとは時間が解決するのを待つのみとなる。けれどそれをただ待っていてもどうしようもない。とにかく行動、そして早期解決のための布石を打つ。


 少し離れたところに煙が見えたのが唯一の幸いだった。音だけではどうにもあの場所は割り出せそうになかったのもあってゆっくりと歩きだすとその煙のほうへ向かう。 振り向かずに息を整える。吸うことよりも吐くことを念頭に、ゆっくり息を吸い込み限界まで吐き出す。それをもう一度繰り返して地面を蹴って走り出した。

 なにが来ているのかはわからない。わかったところでどうしようもない。とにかくひよこを追いかけて脱出の方法を見つけて、地上へ脱出したあとに今回の解決の糸口を見つけ出す。まだだ、まだ時間じゃない。反撃ができるまでもう少しかかる。それまでは悔しいけれどこうやって逃げ延びることしかできない。

 後ろの足音は今は聞こえてこない。自分の足音くらいしか聞き取れないのだ。それでも足は止めない。止まったらどうなることかわかったもんじゃない。


 とにかく足を動かして、ポケットに入っているリスがおちていないか時折確認をする。やがて暗闇の中に見えてくる小さな光を目標にしていればその中で黒い小さな影が飛んでいた。


 「ピ!ピチチ…!」


 おいついた、と瞬間安堵に息を吐いた。


「先は見えてる。こっち来い」


 言えばひよこは器用に走った俺の首につかまりそのまま滑り落ちるように胸ポケットへ忍び込んだ。若干胸ポケットが膨らんだがまだ大丈夫だ。もう入らないけれどまだいける。

 

 光はすぐに大きくなり、やがてそれは日の差し込む森になった。脱出の文字が頭に浮かぶが、そんなことを考えている余裕はもうあまり残されていない。とにかく胸ポケットに押し込まれている奴らの仲間を探さなきゃならないのだ。


 太陽は未だ真上を指し示さない。あともう少しなのにと少し歯がゆく思うがこればっかりは仕方がないのだ。現時点で考えられる最善の手を打った。あとは時間が解決するのを待つのみとなる。けれどそれをただ待っていてもどうしようもない。とにかく行動、そして早期解決のための布石を打つ。


 少し離れたところに煙が見えたのが唯一の幸いだった。音だけではどうにもあの場所は割り出せそうになかったのもあってゆっくりと歩きだすとその煙のほうへ向かう。煙はいまだ黒煙を空へ向かって放出し続けてはいるもののその影になにか巨大なものは確認できず、ただ煙を目指して突き進む。木を抜け、草をかき分け、そうして見えてきたいくつもの人影にようやくホッと息をついたのだ。


「召喚士様…」


「よう、無事だったな」


 駆け寄ってきた少女に声をかければ少女ははい、と何度も頷きながら目にいっぱい貯めた涙をこぼさずに全員、無事です…!としゃくりあげる声をこらえて伝えた。

 そう無事、全員無事である。奇跡的に全員無事なのである。見渡しても欠けたやつなど一人もいない。ハクですら集団の中に立っている。



 けれど、うん、そうそれが疑問であるのだ。


「どうして無事なんだ?」


 その一言に全員が固まるのが見える。昨日あれだけ遊んだ小さな女の子も、男の子も、目の前で涙を浮かべていたあの少女も誰もかれも。

 胸ポケットに入っている2匹のリスはその顔を出して一点をただひたすら見つめている。その見つめている方向は俺とおそらく同じで、ひよこが出てこないのはひょっとすると知っていたからなのかもしれない。伝える方法を模索し、そうして誰にも伝えることができなかったことを俺が知ってしまい、リスは見方を俺が教えてしまった。

 余計なことを教えてしてしまったかもしれないが、ひよこは見えない状態を続けてしまっていてもう半分以上視力を失っている。双子はまだ諦めるのは早かったのだ。

 見えることに掛けることは決して失敗ではない。そうすることでこうやって確信を得られた。


「俺はね、ここへとばされてからしばらく疑問だったんだ。ひよこが助けを必要としてこうして俺を血だらけになりながら飛ばしてきたのに誰もそのことを言わないのか。ただ単にひよこが俺をどこかで拾ってきたみたいな扱いじゃないか。ひよこがなんで何も言いたがらないのか。

結構な間疑問で悩んでたんだがようやっと解決したんだ。ハク、お前召喚獣じゃないだろ」


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