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亀屋

 俺を含めたメイド服軍団はアルテナ騎士団にひけをとらないほどクエストをクリアする。

 アルテナ騎士団は、我々こそが真の救世主だと豪語していたのでメイド服軍団を目の敵にしてるらしい。

 俺はただスク水エッチしたいだけなのだがな。

 すると向こうから俺とおなじような電脳戦士達がどかどかやってきた。

 「サインくださーい」

 「握手してください」

 俺とアイとアーメンガードちゃんそして、ウンディーネはもみくちゃにされた。

 それを向こうでアルテナ騎士団が睨んでいた。

 夜になった。にやにやした小柄な男がこちらに近づいてきた。

 「なんだ? このおっさん」

 俺はもみ手しながらやってきた男を俯瞰で見ていた。十円ハゲが見える。

 「お宿はおきまりですかな?」にやにやを止めないまま男はそう言った。

 「まだ決まってないけどおじさんなに?」俺はぶっきらぼうにいいはなった。

 「それはちょうどよかった。私はそこにある、宿屋、亀屋を経営しております。かの有名なメイド軍団が泊まったとのなるとさぞ有名になるでしょう。ぜひ泊まって行ってください」

 「あんな豪勢な宿屋、俺たちはそんなにお金もってないぞ」

 小柄な男は空気を払うように右手をふってみせた。

 「いえいえ、我々はただで貴方方に泊まってもらいたいのです。先程も申したとおりここにメイド軍団が泊まったとなると私の宿屋の評判もあがるもので」

 「それじゃあ、お言葉に甘えるか」

 という訳で俺たちは宿屋亀屋に泊まることにした。玄関には巨大な黄金の亀の銅像がかなりの幅をとって置かれてあった。

 天井には天使達が雲のすきまでこちらを眺めている天井画がシャンデリアの光に当たってゆらゆらゆれている。それがまるで動いて生きてるようだった。

 アイは興奮してその場をピョンピンとんでみせた。

 幼女が喜びそうだもんな。

 部屋はひろびろしていて何人も眠れる大きさのベットが置いてあった。アイとアーメンガードちゃんとウンディーネとで一緒に寝ようと誘ったがアイにせいけんづきを食らったので一人一人に部屋が用意された。

 今日はクエストやらファンにもみくちゃにされたので非常に疲れた。メイド服を着替えパジャマに正ちゃん帽(ぽんぽんがてっぺんについてる帽子)をかぶってベットに倒れた。香水がかかっているのか布団はいいにおいがしてすぐに眠りに誘った。

 なんだか騒がしいと思い目を開けると、覆面をした男が俺の喉元に短剣を突きつけていた。

 どわぁ! 俺は叫び声をあげて男の睾丸を蹴りあげた。

 覆面の男は睾丸を両手につつんで悶絶した。

 短剣がくる。シーツを男にかけて視界を遮った。男はシーツを短剣で切り裂き刃を向かってきた。

 壺で防御! 同時にその壺で顔面の骨格が歪むほどの強烈な一撃を左頬を張れ、男のあしが宙に浮いた。空中で錐もみ回転しながら頭から床に衝突し、ごろごろと転がってベットの支柱のひとつに突き当たった。ぐったりと横になって動かない。

 スッポリ被ったフードをはがしてみるとアルテナ騎士団の紋章の服が見えた。下を着替えていなかった所がまだ甘いな。

 「おやおや、失敗してしまいましたね」声がした方を見てみるとアイとアーメンガードちゃんとウンディーネが縄で縛られていていた。その声の主はこの亀屋の経営者だ。そして隣にはアルテナ騎士団副団長エミが立っていた。

 「今度こそお前の電脳をもらうよ」エミは下品な笑い声をあげた。

 「おやじ、ほれ、お前の望んだ金だよ」

 「へへへ、どうも」宿主はぺこぺこして袋に野球ボールほど入った黄金らしい物を受け取った。

 「お前ら!」

 「おっとそれ以上ちかづくとこの娘達がどうなっても知らないよ」エミはクレイモアの切っ先をアーメンガードちゃんの喉元に近づけた。

 くそー。どうすれば。俺はふいにあることを思い立った。

 「これを見ろ!」俺はすっぽんぽんになった。その速さは電光石火の如く。

 「げぇ!でかい」アルテナ騎士団が驚いてる隙に俺は電脳から剣をとりだし下半身を露出させたまま正ちゃん帽のポンポンをゆらしながらエミに近づいて行った。

 咄嗟の出来事なのでエミはなにもできなかった。

 ざんげきが消える前に剣の切っ先を上段にかえエミのクレイモアの持っている手に一撃をくらわす。

 エミはクレイモアを落とした。

 「さぁどうする?」

 エミはちっと舌打ちして引き上げて行った。

 「次はお前の番だ」俺は宿屋の経営者に剣をむけた。

 小柄な男はブルブル震えて命乞いをした。今回はゆるしてやろう。

 女の子の縄をほどくと俺たちはもっと有名になっていた。

 正ちゃん帽を被った変態が亀やの実態を暴きエミをこてんぱんにしたことだ。

  

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