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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

三毛猫の三題話

「不愉快です」

作者: 三毛猫

人の死が軽く書かれています。不快に思われるかもしれませんのでご注意下さい。

 彼を最初に見つけたのはわたしだった。

 うちの学校は四階建てで、一階の廊下とホール部分が張り出すようになっているので、二階より上からみると、張り出した部分がテラスのようになっている。実際にはただのコンクリートのうちっぱなしで、二階から人が出入り出来るようにはなっていないのだけれど。

 日直のため、朝早く学校に出てきたわたしは、二階にある自分の教室の窓を開け、そして廊下の窓を開けて、その赤黒い海に浮かぶ彼の姿を発見した。

 血の海をもがいたような跡があって、きっと即死できず、落ちた時、もしくは飛び降りた時は、まだ、きっと生きていたのだろうと思った。

 だが、今、わたしの前でテラスにうつ伏している彼は、どうみても生きているとは思えなかった。有体に言って、只の死体だった。朝から気持ち悪いモノを見せるなよ、と不快に思った。

 わたしは少し考えて、廊下の窓を全て閉めてから職員室へ向かい、先生に「彼」がテラス部分で倒れていることだけを告げた。それから教室にもどり、日直の仕事を続けた。

 朝早かったこともあって、まだ登校している生徒や先生は少なかったが、もちろん大騒ぎになった。警察が来て、登校して来た者は校門で追い返され、登校していた者も帰るように言われた。第一発見者のわたしだけは、警察に事情を話すために、残ることになった。

 どこから落ちたのかを調べていた警察が、屋上でノートと、それを押さえるように上履きが揃えて置いてあったのを見つけた。中を確認した先生が、「屋上に残されていたノートに君の名前があった」とわたしを見て言った。

 今日わたしが日直で、朝早くに登校することを見越して、自分の教室の廊下からすぐ見える場所に飛び降りたのだろうか。死んでまでわたしに迷惑かけんじゃねーよ、って思った。

黒い話。ただ読むだけだとおそらく読んだ方が不快になるだけのお話だと思います。明確な解答は書きませんが、お暇な方は、なぜ「わたし」が「彼」の死に無関心だったのかを考えてみてください。

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