キマグレ25!
「・・・・理由は?」
そう問う魔王はとても虫の居所が悪そうだ。
セインさんはまたすぐあのへらへらした笑顔に戻った。
「別にいいじゃないか。神というのは気紛れなものだよ、私達がどうこう言う問題じゃないんだよ♪」
それにしたって、先ほどあったときに一言くらい言ってくれればよかったのに。
驚いたけど、冷静に考えている自分がいる。
「いつ、帰ればいいんですか?」
「うーん、今すぐかな。」
ずいぶんと急なことだ。
魔王に目を向ければ、何故か責めるような目で見られた・・・え、なんで?
「冷静だね、もう会えなくなるかもしえないのに。」
「焦っても仕方がないだろう?」
じとりと睨まれて肩をわざとらしくすくめて見せれば、気に入らないのか一層強く睨まれた。
別に好きだといわれたことを信じていないわけではないが、そんなに嫌か、ワタシが帰るの。
ただワタシは帰りたくないと一瞬でも思ってしまえば、本気で帰りたくなってしまいそうだから。
だから、ほだされる前に彼の気持ちを見ないフリをした。
「あっ、ちなみに帰ったらもうこっちにはこれないから。」
見透かしたように、笑いながら言う。
やっぱりワタシはこの人が苦手なようだ。なんでも見透かされているような気がして、酷く居心地が悪くなる。
「なんとなく察しはついてましたよ。」
「帰るつもり?」
「帰らなきゃ、いけないんだろう?」
どっちみち帰らなければいけないのなら、早い方がいい。
旅行気分でいられるうちに帰らなければ愛着が湧いて帰れなくなってしまう。
「君たちがなんと言おうとどっちみち帰ってもらうんだけどね。」
「黙れ。」
冗談抜きで怖いからやめてくれないかな、その親子喧嘩。
まぁでも、一方的に魔王が怒っているだけだから喧嘩ではないのかな?
「大丈夫ダヨ?ちゃんと寂しくないよう記憶の方は消しておいてあげるからネ。」
ゆるりと首を傾げながら言われた言葉に、どくりと嫌な動悸がした。
悪趣味だと思った。とても、悪趣味だ。消す前にあえて言う辺りが。
魔王が何故あんなにもこの父親を毛嫌いしているのかがよくわかった。
けれど性格が悪いところなんかは似ているんじゃないか?とも思ったが、魔王がとても凄みのある笑顔でこちらを見てきたから気のせいということにしよう。
「ゲームはどうなるのかな?」
「やだなぁ、中止にきまってるじゃないか。」
当たり前の事だとでも言いたげに返され、少し癪に障った。