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わお、驚いた。
気が付いたら後ろにいたリシェラ嬢・・・この世界の人達は気配を消すのが得意なのかな?
「ご案内、致します。」
相変わらずオドオドしているリシェラ嬢に、微笑む。
「ありがとう、リシェラ嬢。案内、よろしくね?」
すると彼女は、分かりやすく頬を染めた。
アレ・・・ワタシ、なにかしたかな、本気で考え込むんだけど・・・
「ど、どうぞお先に・・・」
リシェラ嬢がドアを開けて先へとたもす。
「フフッ、では失礼するよ?」
部屋を出て、ワタシは暫くリシェラ嬢と話していた・・・
「へぇ・・・驚いた、リシェラ嬢はヴァンパイアなのだね。」
リシェラ嬢がヴァンパイアなコトもだが、ソレよりも先にヴァンパイアが存在していたことに対してびっくりだよ。
本当驚いた・・・さすが異世界何でもありだね!
「はい、紅い目でわかるでしょう?ちなみに人間の血が一番好みなのですよ?」
「・・・・・・へぇ、紅い目ってコトは魔王もだよね?」
最後のセリフはスルーしたいね。
うん、ワタシは何も聞いてはいないよ?人間であること隠しておこうか。
「はい!アレ?結構有名な話ですが、知りませんでした?」
「恥ずかしながら田舎者でね・・・知識が乏しいのだよ。」
マズイ・・・と、いうか面白くない・・・・異世界から来たことがバレるのは、もう少し先がいい気がする。
そして我ながらナイスフォローだ。
「・・・そうなんですか、でも・・・」
立ち止まり言葉を切って、ワタシをジッと見つめてくるリシェラ嬢。
「力・・・強すぎますよね・・・ヤミイロ様。」
「それが、どうかしたのかな?」
「アナタ様程の方が、今までドコでくすぶっていたのでしょうか?」
先ほどまでのオドオドした感じが、消えている。
可愛らしい笑みはたやしていないが、この場では不釣合いでむしろ不気味だ。