クリスマス三!
「シャノン? どうしたんですか?」
桃色のツインテールを揺らしながらこちらに近づいてくるのはリシェラ嬢。
聞くべきか聞かないべきか・・・よく考えてみればこのコが一番よくわからない人だったりする。
「いや・・・少し聞きたいことがあったのだけど。」
『やっぱりいいよ』と言いかけたのだが、何故かスッと目を細めたリシェラ嬢。
その視線の先はワタシの手に握られた小瓶。
おや?嫌な予感が・・・・・
「それ・・・どこで手に入れたんですか?」
にっこり
ヒッ・・・! ここここ怖いよキミ!!
ワタシが自分で入手したわけじゃないから!
「セインさんに頂いたんだよ。」
一瞬キョトンとして目を伏せたリシェラ嬢。
憂いているようなその表情はとても綺麗だが小声で呟かれることは全然綺麗じゃない。
『あのクソ親父が・・・・』とか、『くだらないことしやがって・・・』とかところどころ聞こえてくる言葉がいつもと違いすぎる。
・・・・・・というかあの人は子ども二人から嫌われているのか、可哀そうに。
リシェラ嬢は最後に大げさにため息を吐いてワタシを見据えた。
「それ処分したほうがいいですよ。ある意味毒ですので。」
「ある意味ってどういうことだい?」
うわぁ、凄く嫌な予感がする・・・スイレアナの言っていたこともあるし。
「まぁ・・・所謂媚薬っていうやつですね。」
そんなモノをワタシに渡してどうする気だったのだろう。
まぁ考えたくもないけれどね!
とにかくさっさと処分してしまおうと自室へ戻ることにした。
「あぁ、僕にくれるんなら喜んで貰いますけど?」
「絶対にあげたりしないから安心していいよ。」
可愛らしく首を傾げてもダメだからね!
あとキミ目が本気・・・深く考えるなワタシ。