キマグレ③!
「リ、リシェラ・・・です。」
「フフッ、可愛いなぁ・・・リシェラ嬢は。」
思ったことを言えば、リシェラ嬢はわかりやすくうろたえる。
「そそ、そんな・・・か、かわいいだなんて、あなた様みたいなカッコいい方に言われると・・・」
「本当の事だよ?さて、お喋りもこのくらいにしておこうか。
・・・・行くよ?」
「は、はい」
リシェラ嬢の手を取り、魔王のもとへ飛んだ。
一瞬で場面が切り替わった。
「ここであっているのかな?リシェラ嬢。」
「あ、はい・・・・ありがとうございます!」
花がほころぶように笑って御礼を言うリシェラ嬢。
「いいんだよ?これくらいね・・・ところで、そこの方に用があったんじゃないのかな?」
さっきからこちらの方をジッと見ているっぽいんだけど?
熱い目線が突き刺さるよ?モテる女は辛いね・・・・はいスミマセン自重します。
「あ・・・すみません、リオ様。」
魔王が口を開いた。
「ねぇリシェラ、そこの人・・・・誰?」
「あ、えぇ、と・・・・そういえば、名前・・・・」
そういえば名乗ってなかったね、ワタシ。
「フフッ、名乗るほどの者でもないよ?それじゃ・・・」
そう言い、立ち去ろうとした・・・
「リシェラが世話になったね?お礼言いたいから、リシェラ出ていてくれない?報告は後でいいから。」
「はい・・・」
・・・格好良く立ち去ろうとしたのにね・・・リシェラ嬢の方が出て行ってしまったよ。
改めて魔王を見る。
綺麗な銀の短髪・・・長めの前髪から覗く深紅の瞳に白い肌、顔立ちも綺麗だね・・・
人懐っこい感じの笑顔だが、相手は魔王・・・油断は禁物。
やっと魔王登場。