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 「・・・・・・は?」


 言った言葉の意味を理解するのに反応が遅れてしまった。しかもやっと口から漏れたのは気の抜けた言葉にもならない音だけ。

 ちなみにワタシは自分の事を鈍いだなんて思ったりはしていない。

 「なにかっ、気付けて、いない、ことでも、あるのかい?」

 今揉んではいないが胸に置かれたままの手を退けようと苦戦しつつ問う。

 つーか外れねぇし、どうしてびくともしないのかなこの腕!

 「あるねぇ。この事になると鈍いんだから、シャノン。」

 ため息混じりにそう言う魔王は何故か呆れている。

 意味が解からない。

 気付けていないのなら考えても無駄なのだが、全く心あたりがないのだ。

 「だから、ね?」

 「っ・・・な」

 手が退かされたと思ったら、そのままタオルを奪われた。

 一瞬気を抜いてしまっただけにダメージ大きいぞ今!

 座っているから下は大丈夫だとして、自分を抱きこむようにして胸を隠す。もう条件反射だね、コレ。

 「これくらい過激にしたら気付くかな?」

 なななななな ナ ニ に !?

 え?ちょっと本気?コレ本気?ヤバイ・・・色んな意味でとても危険だ!!

 十八年生きてきた中で一番の貞操の危機。そんな事に顔色を変えて内心きょどるワタシを見てクスリと小さく笑って、うなじに口付けてきた。

 そのまま強く吸って、次に肩、背、首筋と同じコトを繰り返す。

 ワタシはといえば、あまりにも焦り過ぎてどう声を掛けるべきかもわからなくなっている。もう完全にパニック状態に陥っていると思う。

 見透かされているようでとても癪に障るが、今そんなことは頭にない。

 「シャノン。」

 「な、に・・・」

 もう頭ぐちゃぐちゃ、恥ずかしいしで顔を合わせられず前を向いて俯く。

 そうしていたら腰に巻きつけられた腕とは反対の手が内腿を滑っていく。

 「っ!?」

 なんなんだ、なんなんだ!なんなんだコイツは!!どうしてこういうコトを恥ずかしげもなくできるんだよ!!!

 羞恥も忘れてその手を掴みながら振り返るが・・・なんだかイヤな笑顔と細められた瞳と会った。

 マズイ・・・と思ったときにはもう遅い。

 「ふっ・・・」

 再び深く口付けられる。

 頭がついていかないのは慣れていなからというだけじゃない。

 長く甘いこの行為に酸欠して、激しく認めたくないけれど彼に酔ってしまったからだ。いやコイツ相手なら誰でも酔うと思うぞ。

 上手すぎるのはこの際置いておこう。触れたらまず後悔するぞワタシ。

 のぼせたようにクラクラする頭を軽く振りたいが、いつのまにか後頭部をがっちり固定されているためそれはできない。

 「キミ、は・・・」

 「んー? なぁに? シャノン。」

 息も荒く口を開くワタシに、甘ったるく問う魔王を一発殴ってやりたい。

 それにしても、解らない。どうして魔王がワタシにちょっかいをかけてくるのかが・・・いやもうちょっかいの粋を超えているのだが。

 アレか。ワタシが気付けていないナニかが原因か? 聞いても答えてくれなさそうだな。むしろこの行為に拍車をかけてしまいそうだ。

 言いかけてアレだけどもよく考えたら問いてはいけないことだった。

 さて、どう誤魔化そう。




今日で一週間たっていると今気がついた・・・

とりあえずもうリオはセクハラどころのハナシじゃないですね!

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