キマグレ⑱!
「嗄音様お風呂の準備が出来ていますが・・・如何致します?」
勇者を追い出してしばらくしたら、いつの間にか部屋から出て行っていた夕鶴嬢が戻ってきてそう言った。
そういえば昨日から色々あって入ってなかったね・・・現代の女子高生としてこれはどうしたものだろう。
うんお言葉に甘えよう!
「うん、入りたいな。案内してもらえる?」
昨日から入っていないというのは伏せておく。いやだって言いにくいじゃないか、ねぇ?複雑な乙女心というものだよ!
うん、自分で言って意味わからなくなったよ。
「こちらでございます。」
と、ついたのは暖簾のかけられた入り口。
それをくぐると広い脱衣所・・・・無駄に広くないですか?ココ。
「あの?」
着替えたいのですが何故あなたはいつまでもコチラを見つめていらっしゃるのでしょうか?
いや、女同士だから別にいいとは思うのだけれどね?こんな美人さんに見せられるほど自信ない!みせるつもりはない!むしろ見られたくはないよ?!!
「あぁ、お一人でよろしいので?」
「是非そうさせてください!」
お察しがよろしいですね!
「なにかありましたらお呼びください。」
必死そうなワタシがおかしいのか、クスクスと笑って出て行ってくれた。
服を脱いで(一応)タオルっぽいのを巻いて風呂場への扉を開ける。
(広っ・・・・!)
どこの大浴場ですか?!みたいなかんじのお風呂でした。さすが王城、『お風呂』のスケールが違うね!
魔王城は部屋にシャワールームがついていたから・・・それでも十分凄いのだけれどね。
「アレ?」
どうしよう使い方わからない。
なんかね、シャワーみたいなのはあるのだよ。風呂とはちがって髪とか体とか洗い流すためみたいなやつ。
でも、蛇口がない。
「嗄音様?」
「わぁっ!!」
よよよよよよかった、タオルまいていて!
「け・気配を消して背後に立たないでくれるかな?夕鶴嬢。」
どうしてみんな気配消すのが上手なのかな!?(今更)
後ろを振り返るとニッコリと笑顔を浮かべた夕鶴嬢。・・・・誰かさんを連想させそうなその笑顔はやめてください。