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と、言うか人間ですらないしね・・・
「そう?じゃぁよろしくね。してもらうことなんてないと思うけど。」
そう言ってニッコリと笑ったら夕鶴嬢も笑い返してくれた。
ほんわかとした空気の中声もかけられずに襖が開かれ、そこから出てきたのは少年勇者。
「やぁ、おはよう少「いい加減それはやめろ!」
切り返しが早いねさすが少年、朝から元気でいいよ。
「少年、そういえば名前聞いていないね。」
「今更だな」
本当今更だよね、気づかなかったワタシって結構酷いのかな?まぁいいよね勇者だし、少年だし。
「お前今失礼なこと考えてたろ。」
「イヤ別に?で、名前は?」
アレ?なんでわかったのかな?いまだ納得のいかなさそうな顔をしている勇者はこのさい無視だ。
というか本当に勇者の本名気になる。
このお城和風だからまさか横文字じゃなくて漢字かな、この金髪碧眼のいかにも勇者!みたいな彼が。
「佐紺雪皚」
・・・・・・・・・・・渋っ!
純日本人、むしろ一昔前にいそうな名前!え?なに、この国で金髪碧眼って普通なの?!!
ワタシよりも日本人らしい名前に少し驚いてしまったよ・・・
「では少年。」
「少年じゃねぇ!なんで教えた傍から名前でよばねぇんだよ!!」
「イヤ、やっぱり少年は少年でいいかなって・・・ね?」
だって『雪皚』だよ?金髪碧眼の見かけ完璧勇者な彼が『雪皚』!!抵抗ありまくりだからね!?
「ユッキー?」
「なんでだ。」
「ユキ?」
「お前俺の名前もう忘れたのか?」
「シロ?」
「犬か。」
どれも結構きつかったね、うん自覚ならある!
「まぁいいや。雪皚。」
「何か自己解決したな。何だ?」
「イヤ、キミこそ何の用で来たのかな?」
まさかわざわざ名前呼びにさせに来たわけじゃないよね、そうなら殴るよ?夕鶴嬢との時間を返せ。
「少し忠告しにな。」
忠告?して貰うようなことはないと思うのだけど、彼の言うことなのだから一応聞いておこうかな。唯一の常識人(と信じたい)だし。
来いと手招きをする雪皚に近付いていったら、急に腕を引っ張られ彼に抱き込まれるかたちになった。
「そこの女には注意しとけ。」
耳元でそう言われ驚いて顔を上げると、真剣な表情の雪皚。
くっ、こうして見ると彼もかなり整った顔をしている・・・・・ムカツクくらいに。
「っ!急になにしやがる!」
とりあえず一発殴っておいた。
やっとでてきた勇者の名前!かなり考えた結果が『雪皚』!!
そして勇者にはフラグたっているのか!?とりあえず何かとアクションおこしてほしい!逆ハーだからね!!!