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 「!」

 ワタシにしか聞こえないよう囁いた。

 どんだけ視力優れているのか、フードを被って完璧に隠せるわけはないが色も色なので黒髪は色にまぎれて見えないはずだ。

 「王、二人きりでお話したい事がございますので・・・よろしいですか?」

 いつのまにか離れていた拘が勇者に言う。

 「あぁ・・・だがそいつは仲間だ、手荒なマネはするな。」

 「わかっております。」

 いやいや少年勇者よそこは断ってほしかったな、だってこの人のワタシに対する態度というか雰囲気が違うこと察せよ。

 という心の中の葛藤は届かずに、ほとんど引きずられるかたちで部屋から退出させられた。

 「昼間から女性を部屋に招きいれるのは初めてですね。」

 しばらく廊下を歩いて階段を下ってついた部屋に入ったときに、彼が後ろ手で障子を閉めながらそう言った。(なんと人王城は和風!)

 このときもれなくドン引きしたのは言うまでもないだろう。

 「そんなに引かないでいただけますか?泣かせたくなるではありませんか。」

 お か し い だ ろ !

 駄目だこの人全然常識人なんかじゃない!どうしてワタシの周りには常識人がいないのかな!?

 「いいですけどね、本題に入りましょうか。」

 「さいですか・・・」

 最近笑顔が引き攣ることが多い気がする、うんこれは気のせいじゃないよ絶対。

 そしてこの人さっきからずっと無表情でニコリともしないね、それで近付かれるとかホラーだから!ホラーなみに怖いから!!魔王みたいに笑顔で近付かれても怖いけどさ!

 「な、何で近付いてくるのかな?」

 「別にいいでしょう。」

 「イヤイヤイヤおかしいよ。」

 微笑むところが違う!ここで?ここで微笑むの!?怖さ倍増!!

 こういうとき、大抵ワタシは背後がお留守になる。


 トンッ


 『お約束』そんな言葉が頭をよぎった。


背後に壁はお約束。気のせいじゃありません!腹黒が獲物を逃すわけがない!

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