キマグレ⑮!
とここまで言って気がついた。
「アヤネ、もう今日はいいのかい?」
「ん?うん、いいよ。もう目的は達成したし、一応ね。」
ニコニコニコニコ・・・このこさっきから笑顔しか浮かべていないね。
不信感よりも感心の方が勝るよ。
「じゃぁ、帰ろうか。勇者?」
フラフラしているけど大丈夫だよね、どくどく血を流していたせいだろうけど。
うん、傷は完璧に治したからワタシは何も悪くない!よし解決!!
「なるべく動かないほうがいいね、とっとと行こうか。」
こんなふうに言ってはいるが一応気遣っているつもりだ。
少年の肩を支えて魔法を使う、最後に魔王を見た時に不吉な笑顔でこちらを見ていたのは気のせいだと思いたい。
ところ変わって切り替わった場面は人王城の王の、つまりは少年勇者の私室。
「はぁ・・・・」
「どうした?」
「イヤ、ナンデモナイヨ。」
別に目の前に女装しているっぽい変体そうな人がいるーなんて思ってないよ、きっと女装じゃないのだようんそう違うことを願おう。
「あぁ・・・・目の前にいる白髪は女装趣味の変態だから気を付けろ。」
百歩譲って変態はよしてほしかったかな。
「やぁんっ酷いわー王様ぁ、変態だなんて~あたし傷ついたわぁ。」
全然傷ついたようには見えないが・・・白髪に明るい茶色の彼は見かけ和服美少女。
でもほら凹凸がさ、リシェラ嬢みたいによくわからない服きていたらいいけど、その服よくみたらわかっちゃうよ。
しかも高身長だし、美人で細く見えるけど多分勇者より身長高いし。
「まぁいいけどぉ・・・このコ誰~?」
抱き付かれたし。
「ッ!離れてくれないかな?お嬢さん。」
「きゃぁ~『お嬢さん』だってぇ!それになにこのコすごく抱きごごちいいんですけど!」
離れてほしんですけど!そして勇者助けてくれてもいいんじゃないのかな?!
「巻き込まれたくないからな・・・」
ワタシの思いを汲み取った誰かが彼を引き剥がしながら、そう返してくれた。
「申し訳ございません、嗄音殿。伽羅の無礼をお許しください。私は拘と申します、以後お見知りおきを。」
何かすごい人きたね。
艶やかな濃い紫の長髪を後ろの肩辺りで緩く束ねている、切れ長の瞳は同色で陰陽師みたいな人だ。(格好が)
美形な所を除けば常識通じそう、通じてほしいな!がちょっと疑問が。
「どうしてワタシの名を知っているのかな?」
「見ていましたから、当然ですよ。」
見ていたって、どうやって?というかいつから?そこはかとなく嫌な予感がするのは気のせいかな?
「私は王の補佐。彼を心配して、常に監視をするのはあたり前でしょう?」
過保護を通り越している気がするのはワタシだけ?というか常にということは、勇者が魔王城に来た時も?
「それに私は少々人より五感が優れておりまして、ずっと見えていましたよ。」
そう言いながら近付いてきて、ワタシを抱き寄せた。
「そのヤミイロのローブに溶け込みそうな漆黒の髪がね・・・」
丁寧語の常識人のはずがあああぁ!!
いやー常識人がでてくるのは一体いつでしょうねー・・・というかここでも女装男子。
ださないつもりだったのですが・・・